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文字数 405文字



要らないのに送られてくる
ダイレクトメールにうんざりしながら
また何かに僕の情報がダダ漏れ
持つもの全ては流されていく
どこかで繋がりどこかで隙を与え
僕は世間のトラップにハマる蟻
働いて働いて時々サボって働いて
美味しいもの食べて
好きな人と会って
着飾って躍る世間の波に
ふわりふわりと流されて
踊らされながら
気がつけば大人になって
いつの間にかここにいる
上り調子にはしゃいでても
下り調子で転がっていても
時はずっと突き進んでいくから
振り落とされないように
精一杯生きてる先に
見える世界の真ん中に
僕の居場所が見当たらない
さっきまでの立ち位置は
幻で雨に濡れた柳の影に
揺れて靡いてどこかへ消えた
足元は砂上にそびえる山の上
いつでもどこでも流れてく
お金で買える明日なら
毎日その辺で誰かが売っている
時は戻らないけど今はある
遅すぎるなんてないって
あの人が言うなら本当なのだと
最後に残った一握りの拳の中を
アノ空へブチかまそう
いつか上げた花火のように


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