第１３話　隣にいる人

隣にいる人
　　詞：神山ユキ　曲：無し

あなたはまっすぐ前だけを見て
ひとりで歩き続ける
決して走らないけど、止まらずに歩み続ける

隣にいる私
前を向く君

あなたの見つめるその先は
あなただけのもの
決して走らないけど、止まらずに歩み続ける

隣にいる私
前を向く君

少し伸びている髪
ざらついた髭

ねえ　あなたは気付いていないんでしょう
ねえ　私はこんな気持ちなんだよ
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私は朝の日課としてジムに行くのです。
３０分ほど筋トレしてから３０分ほど有酸素運動するのが基本パターンです。

有酸素運動だけの日もあります。
ある朝、ランニングマシンでランニングをしていました。

すると、中年の男性が私の隣のランニングマシンでウォーキングを始めるではありませんか。

ジムは空いています。
ランニングマシンは１０台ほどあって、私を含めて２人しか使用していません。
いっぱい空いています。私の隣だけでなく、その隣もさらにその先も空いてます。
なんで、その中年男性はわざわざ私の隣に来るのでしょう。

もちろん、空いているマシンのどれを使用するのもその人の自由です。
私の隣のマシンを使用するのも自由です。
私に文句をいう権利はありません。
でもね、こんなに空いているのになんでわざわざ私の隣なんだよ。。。

イラつくのです。
気持ちよく走っていたのに気分が悪いです。

気分が悪いし、文句も言えないから、腹いせに観察してやろうじゃないか。

まず、そのだらしない身体はなんだ。
大きく膨らんだお腹。

どんな体型だろうとその人の自由だし尊重するよ。
でも、あなたはジムに来て運動しているのだから、その膨らんだお腹をなんとかしたいんでしょう。
なら、言わせてもらいますよ。
ランニングマシンでウォーキングですか。
有酸素運動としてウォーキングを否定はしませんよ。
でも、あなたのそのペースは見たところ５ｋｍ／ｈ以下ですね。
４．５ｋｍ／ｈといったところかな。
ウォーキングをするならもう少し早いペースでやった方が効果あるんじゃないでしょうか。
とくにその膨らんだお腹には。

ちなみに、私は１０．５ｋｍ／ｈ、傾斜度１％で走ってますがなにか。
今日は５５分ほど走って５分をクールダウンとして歩くつもり。
あなたの膨らんだお腹とは違って私のお腹は汗で張り付いたＴシャツの上からでも腹筋の輪郭が見えるでしょう。

さらに言わせてもらえば、あなたはジムに来ていきなりウォーキングのようですね。
筋トレの後というわけでもなく、いきなりウォーキング、しかもそのスローペース。
何分歩くつもりですか。

いっちょ前にワイヤレスイヤホンなんかして、いったい何を聴いているんですかね。


やはり、そうですか。
私より後にきて、遅いペースでウォーキングをして、私よりも先に終わる。
あなたのウォーキングは２０分くらいでしたかね。
有酸素運動は２０分以上やると体脂肪がよく燃焼するとか言いますよね。
そういった知識だけはあるんでしょうかね。
でも、そんなスローペースで、しかも２０分で終わりでは、そのお腹は変わらないでしょうね。

私の心がこんなにささくれ立っているのは、あなたがわざわざ私の隣に来るからだよ。
あなたさえ私の隣に来なければ、せめてもう一つ隣であれば、こんな気分になることはないんだよ。

隣にいる私
前を向く君

ねえ　あなたは気付いていないんでしょう
ねえ　私はこんな気持ちなんだよ

神山ユキ
2023.3.7