第8話 赤信号の横断歩道を渡るとき

文字数 1,023文字

赤信号の横断歩道を渡るとき

先日読んだ小説に登場人物が彼氏と別れた理由の1つとして、信号が赤で車が全く通っておらず、横断歩道の反対側に赤信号で止まっている人がいる状態で、彼が赤信号の横断歩道を渡る、というのがモヤモヤするというのがありました。車が全く通っていないので安全性には何の問題もない状態ということです。

ポイントは、反対側に赤信号で止まっている人がいる状態で、というところのようです。反対側に人がいなければ赤信号を渡っても気にならない、ということのようです。

彼女が言うには、それが見知らぬ人であっても横断歩道の反対側にいる人とは既に何らかの関係性が生じていて、その人は赤信号で止まっているのに、その人を無視して横断歩道を渡るという行為がその関係性を損なう、ということのようなのです。
そして、彼のそんな態度にモヤモヤして、この人とはやっていけそうにない、ということで別れたのです。別れた原因はそれだけではないのですが、この横断歩道のくだりは重要なエピソードとして語られていました。

この部分を読んで最初に思ったのは、気持ち悪い、ということでした。
つまり、私は彼女に全く共感できないのです。

共感できない理由を書いてみたのですが、長くなったので共感できない理由は割愛することにします。日本社会における同調圧力とか、メンドクサイ方向になってしまいましたので。

なので、私の場合はどうなのか、ということを話題にします。

私の場合、急いでいない限り赤信号を待つことは全くストレスではないので待つこともありますし、車が全く来ておらず安全性に全く問題が無いのであれば渡ることもあります。一人の場合は車が全く来ていないのであれば赤信号を渡ることが多いです。横断歩道の反対側に人がいるかどうかは全く関係ありませんし、それによって行動が変わることはありません。そもそも、この小説を読むまで、横断歩道の反対側に人がいるかどうかを考慮することなんて考えたこともありませんでした。

車が全く来ておらず安全性に全く問題が無い状態で、私が赤信号で必ず待つのはどういう場合か、と考えた場合、1つだけそういう状況があります。
それは、好きな人と一緒にいるときです。
だって、好きな人と一緒にいる時間は長い方がいいじゃない。なんて、ロマンチックすぎますかね。

その理屈でいくと、小説の彼はそれほど彼女のことを好きなわけではない、となるので別れて正解かもしれませんね。

神山ユキ
2022.10.15
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