コント「戻ってきた!」

文字数 2,606文字

(ゆっくり歩いてくる男、シタン)



シタン「やっと...やっと戻ってきた...もう5年経ったのか...

懐かしいな。ここはなにも変わっていない。仲間たちと...そして、愛しのマリンと世界中とを駆けめぐってていたあの頃と。


(女性がどこか寂しそうに歩いてくる)


シタン「マリン...マリン!!!


マリン「えっ...?シタン...?シタンなの...?


シタン「マリン!!


マリン「シタン!!


(抱き合おうとしたその時)


マリン「あちょっと待って!


シタン「えなになになになに?今感動の再会から熱いハグのとこじゃん。


マリン「あーハグはまずいわ。


シタン「なんでよ?ハグしてさ、マリンがオレの胸バンバン叩いてさあ、いいシーンになる

とこじゃん!


マリン「いやそんなのダメだって!


シタン「なんでだって!


マリン「私結婚したから!!


シタン「............え結婚!!?マリン結婚したの!?


マリン「そう私めちゃくちゃ結婚してるから!


シタン「めちゃくちゃ結婚ってなに?離婚してまた結婚したってこと?


マリン「違う回数じゃなくて濃さ、クオリティの話。私ド結婚したから!


シタン「ド結婚ってなに?知らない言葉バンバン使わないでよ!


マリン「それだけ凄い幸せな結婚ってこと!相手の人も凄く良い人だし愛する子供も5人居る!


シタン「5人!?オレ最後の戦いの後爆発に巻き込まれたのあれ5年前だよ!?それで5人居るの!?


マリン「うん私達はもう誰にも止められない!


シタン「...なんでだよ。オレあの日言ったよな!?必ず戻ってくるって!

マリンも言ったよな!私、待ってる!いつまでだって待ってるから!って!


マリン「そう言ってあげたほうが幸せな気持ちで逝けるかなと思ったのよ!


シタン「あもう諦めてた!?あれ おくる言葉だったの!?


マリン「そう!ドおくる言葉!


シタン「ドおくる言葉ってなんだよ!ド好きだな!


マリン「あなたが1人城に残り爆発に巻き込まれたあの後!帰ってみんなで祝勝会を開いたの!


シタン「祝勝会開くな!!確かに勝ったけどオレ安否不明になってんだぞ!!


マリン「だって勝つつもりでお店予約してたから!


シタン「キャンセルしろ!!


マリン「キャンセル料!!!


シタン「それくらい払え!!もったいないって言葉省いて魂で訴えかけてくんな!


マリン「祝勝会を開いたあの日、みんなシタンのシの字も出さずに楽しんだわ、

途中会話の中に「し」って言葉入れたら罰金よゲームやってた!


シタン「なんだそのゲーム!!オレを忘れるための特殊なゲーム考案するな!


マリン「でも私は!!あなたがけろっと帰ってくるような気がして!お店の入り口6時間で4回見た!


シタン「あんま見てねぇな!!1時間30分に1回って!そして会盛り上がってんね!!6時間行った!?


マリン「そして私も含めみんなベロンベロンになって!サラマンから口説かれて!プロポーズまでされて!私受け入れた!!


シタン「なんで!!?愛する人が死んだと思われるその日に婚約する!?


マリン「あなたが言ったんじゃない!「過去を振り返るな。ただひたすらに前だけ見てろ」って!


シタン「...そんな言葉間に受けんな!!!


マリン「なんでよ!私あの言葉すごく刺さったのよ!?


シタン「刺さった言葉 言った人即諦めるな!!


マリン「みんなに知ってほしくて紙に書いてコピーして1枚500ギルで売ってる!


シタン「なに商売してんだ!!普通私の人生を変えてくれた言葉でひと儲けするか!?


マリン「サラマンは無職だからその稼ぎだけで食べてる!本当にありがとう!!!


シタン「ヤベエ胸が凄い複雑!!こんなに言われて喜べない本当にありがとうある!?

そしてサラマン無職なの!?


マリン「だから今戻って来られてもあなたとは付き合えない!こうやって話をしてるのも危険なの!


シタン「いや かつて世界を救うために旅した仲間同士話してなにが悪いんだよ!


マリン「あなたが居ない5年の間に不倫はさらに重罪になったから!!!

5年前もダメはダメだけどもっとダメになったから!凄い人気だった人が人前に出れなくなるのよ!

私の紙が売れなくなる!!


シタン「私の紙ってオレの言葉だけどな!!

言われた言葉そのまま書いてコピーしてオリジナリティゼロの作品だけどな!


マリン「そういうことだから!さよなら。


シタン「...本当は辛いんじゃないのか?


(立ち止まるマリン)


シタン「さっき歩いてくるマリンを見たとき、マリンどこか寂しそうな、思いふけった顔してた。

本当はなにか悩みがあるんじゃないのか?それであんなに悲しそうな顔してたんじゃないのか!?


マリン「違う!あれは!私が売った紙が凄い高確率で捨てられてるからなんでかなー。って考えてたの!


シタン「それでかー!!!オレあの顔1本を希望に話してたんだけど!


マリン「アンケートの結果、買った紙を家まで持って帰った人は0.04%だったの!


シタン「0.04!?誰にも刺さってねぇじゃん!


マリン「1回ゴミ箱いっぱいに私の紙しか入ってないことあった!

もう入らないから周りに捨ててゴミ箱の形の白い塊がもうひとつ完成してた!


シタン「もうなんかのアートじゃん!!ゴミとゴミ箱使ってゴミ箱作るってなんか深いメッセージありそうなアートじゃん!


マリン「みんな美しい私と話がしたくて買ってるだけなの!


シタン「うおー美しいって自分で言った!もはや気持ちがいい!


マリン「買ってくれた女性いまだ0人!


シタン「マリンそんなにスンゲエ女性から嫌われるタイプの美女だった!?


マリン「どうしたら紙を持って帰ってくれるのか!

どうしたら女性も紙を買ってくれるのか!

今後もっとお客様に喜んでもらうには紙をどうすれば


シタン「まずその紙って呼ぶのやめない!?

なんかないのポエムみたいな呼び方!紙って呼ぶの全然自分の作品への愛が感じられない自分の作品じゃないもんね!!?

元カレから言われた言葉コピーしただけじゃ愛なんてないよね!?


マリン「うん正しくは元カレ寸前。


シタン「カレでもなかった!?寸前!?


マリン「そういうことだから。さよなら。

あ、そうそう!クエナが新しいカエル料理作ったから食べに来いってかつての仲間たちに手紙出してるの。

私は行けなくて断ったけどシタン行ったら?


シタン「ああ...全くそそられないけど行くとこもないし。行くよ。


マリン「クエナ...最近男の人にも興味あるって。


シタン「OK行って来る!!(走っていく)




最後までありゴトウ!

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