コント「アドバイスして。」

文字数 2,348文字

(プルルルルルル プルルルルルル)




まる:はいもしもし。



ゴトウ:あっ俺だけど。



まる:あーゴトウ?



ゴト:ちょっと今ちゃんと話聞いてほしいんだけど時間あるかな?



まる:あー今はヒマだったから大丈夫だけど。どうした?



ゴト:実はさ、俺いま女の子とデートしてるんだよ。



まる:へえースゴイじゃん。お前彼女とか出来たことなかったもんな?



ゴト:そうなんだよーだからデートの仕方とか全然分かんなくてさ。

お前の方がずっと経験あるだろ?ちょっとアドバイスしてほしいんだよ。



まる:あーそういうことかー。



ゴト:頼むよー今日絶対告白して恋人同士になりたいんだよー。なんて告白すればいいかな?



まる:あーなるほどねー。やっぱり、お前は経験とかないんだから、

あんまりかっこつけたこと言うよりも、素直に気持ちぶつけた方がいいと思うんだよ。

『好きです!付き合ってください!』とかでいいんじゃないかな?



ゴト:なるほど...好きです付き合ってくださいか。好きです付き合ってください。分かった!ちょっと待ってて!

(携帯を下ろす)好きです!付き合ってください!!



まる:(携帯を見つめる) ............ん?



ゴト: ...もしもし。言えたよ。今返事待ってるところ。



まる:え?え?え?え?え?え?え?え?えっなにこれ?えっいま女の子、そこに居るの?



ゴト:うんいま向かい合って座ってる。



まる:なにこれ!!?なにこの状況!?なに向かい合って座って電話掛けてんだよ!



ゴト:アドバイスほしくて。



まる:アドバイスもらっちゃダメなんだよ向かい合って座ってる時は!女の子 今どういう顔してる!?



ゴト:すんごい不思議そうに俺を見てる。



まる:だろうね!!そりゃ不思議だよね!



ゴト:地球外生命体を見るような目で。



まる:そうなるよね!!地球にこの状況ないもんね!



ゴト:その顔がまたカワイイ。



まる:惚れ直してる場合じゃねぇんだよ!



ゴト:この後どうしたらいいかな?



まる:お前はなんでそんなに冷静なの!?いま結構異常な状況だよ!?なんでそんなに落ち着いてんの!?



ゴト:持ち味。



まる:持ち味!?



ゴト:昔から冷静なのが持ち味。いいところを伸ばしていく教育方針。



まる:知らないけどさお前の両親の教育方針!



ゴト:なあアドバイスしてくれよー。なんとか今日中にキスまで持ち込みたいんだよ。



まる:あ言っちゃったね!!それ本人の前で絶対言っちゃいけないやつだよね!



ゴト:この日のためにぬいぐるみでめっちゃ練習したんだよ。



まる:そういうの言っちゃダメなんだって!



ゴト:ピカチュウをメロメロにさせたんだよ。



まる:ピカチュウのぬいぐるみで練習したとかどうでもいいんだよ!言うんじゃねぇよ!



ゴト:あんま最初から舌は行かないほうがいいらしいね?



まる:知識だけあんな!!ピカチュウと学んだな!



ゴト:なあ今ごめんなさいって言われたんだけどどうしたらいい?



まる:終わりだよ!!ごめんなさい言われたら終わりなんだよ!なんでまだ希望持ってんだよ!



ゴト:抱きしめていいのかな?



まる:絶対ダメだよ!!通報されるよ!



ゴト:なあ頼むよー今日中におっぱい触りたいんだよ。



まる:絶対無理!!そこからおっぱいにたどり着くの不可能!



ゴト:生まれてすぐに親が離婚して親父に育てられた俺は人生で1度もおっぱい見たことないんだよ



まる:そんな複雑な事情言わなくていいから!!今言うんじゃねぇよ!

お前アドバイス求めてきてるくせに俺の言うこと全然聞かねぇな!!ずっと本人の前で言うなって渾身のアドバイスしてんだよ!



ゴト:なあ今思い切りビンタされたんだけどどうしたらいい?



まる:ビンタされたの!?思い切り!?



ゴト:どうしよっか?



まる:お前持ち味スゲェな!!どんだけ持ち味発揮すんだよ!



ゴト:なあビンタが止まらないんだけど。



まる:止まらないの!?なんなのお前は痛みも感じないの!?



ゴト:持ち味。



まる:伸ばしたな!!教育方針スゲェな!サイボーグ生み出したんだな!



ゴト:なあアドバイスしてくれよ。



まる:まず席を立て!!本人居たらどうしようもないから!



ゴト:無理だよ今席外したら戻った時彼女居ない気がする。



まる:確かにね!!確かにそうだね!それは分かるんだね!

いいかゴトウよく聞け!もう諦めろ!そこからは絶対に無理だ!



ゴト:そうかー...分かったよ。じゃあもう1人のほうにするわ。

(携帯を下ろす)好きです!付き合ってください!!



まる:(携帯を見つめる) .........え?



ゴト:もしもし。言えたよ。今返事待ってるところ。



まる:え?え?え?え?え?え?え?え?えっ怖い聞くのも怖い。でも聞かないと。なあそこに、女の子、2人居るの?



ゴト:うんずっと2人と向かい合って座ってる。



まる:なにこれ!!!?なにこの状況!!お前の居るとこホントに地球か!?

大体その子もなんでおとなしく座ってんだよ!壮絶な修羅場目の前にして!頭おかしいんじゃねぇのか!



ゴト:まあちょっとおかしいかなー。



まる:やめろ!!本人の前で言うな!それでその子ずっとどういう顔して見てたの!?



ゴト:めっちゃ爆笑してる。



まる:やっぱ頭おかしいな!!決まりだな!



ゴト:その顔がまたカワイイ。



まる:いいんだよ女の子の笑顔に幸せ感じなくて!



ゴト:俺この笑顔を一生守っていくと決めたよ。



まる:もうプロポーズじゃねぇか!!なに友達にアドバイスもらいがてらプロポーズしてんだよ!



ゴト:なあ今OKもらったんだけどどうしたらいい?



まる:なんで!!?なんでOKもらえたの!?どんだけ頭おかしいんだよ!



ゴト:なあここからキスまで行くにはどうしたらいい?

あと最初の女の子どう帰ってもらったらいい?

まだビンタが止まらないんだけどどうしたらいい?なあアドバイスくれよ。



まる:もう知らねぇ!!




最後までありゴトウ!

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