コント「最終メンバー」

文字数 3,820文字

勇者アレス「...みんな、俺たちは明日、いよいよ魔王の城へ向かう。

とても長い道のりだったがようやくここまでたどり着いた。みんなで力を合わせ、必ず魔王を倒そう!

ただ、俺たちは、なんでかは分からないが最大で4人しか敵と戦うことが出来ない。

そこで今日は、魔王の城へ乗り込む4人、伝説のつるぎを使える俺は確定として、他の3人を決めたいと思う!


賢者マルマ「仲間たちのデータは僕がまとめておいたよ!分からないことがあったらなんでも聞いて!


アレス「ありがとう。頼む。なにせ...仲間600人居るからな。


マルマ「そうだね。僕もデータベース作るの大変だったよ。


アレス「こんな居たっけ!?居過ぎじゃない!?

ぶっちゃけほぼ知らないヤツばっかりなんだけど!!こんな居た!?

 俺このために宿屋の大宴会場抑えたのにそれでも全員入れてないじゃん!数人飲まず食わずじゃん!


マルマ「凄く長い旅だったからねー。仲間も増えるよ。


アレス「増え過ぎだろ。とにかく、最良のメンバーを考えるから。1人ずつ見ていくぞ。

えー...君は誰だっけ?


マルマ「彼はセイン。八百屋をやりながら弓を磨いたらしいよ。


アレス「へえ...八百屋と弓なんの関係があんの?


マルマ「ああ、ストレスが溜まった時人の頭に大根乗せて弓で射るのが趣味なんだって。


アレス「うおーヤバイね!えっそんな話したっけ!?全く記憶ないけど!怖くて記憶消したのかな!

えっその趣味大丈夫!?始めたてのころ死者出ない!?


マルマ「あーだから彼蘇生の呪文使えるんだ。


アレス「うわーそんなダークな蘇生の呪文の覚え方あるんだ!やっちゃったら蘇生してまた射るんだ!

怖いお前来なくていいよ。それで、君は?


マルマ「彼はセイン。八百屋をやりながら弓を磨いたらしいよ。


アレス「えっえっえっえっえっ?彼もセイン?エピソードも同じ?双子とか?双子名前一緒おかしいか!


マルマ「うんあのね、この2人、見た目、性格、エピソード、全部同じなんだけど完全な他人。


アレス「なにそれー!?なにその奇跡気持ちわりいー!ていうか後のセイン要らないだろ!なに2人仲間にしてんの!?


マルマ「でもアレス、後セインに仲間になりたいって言われて二つ返事でOKしてたよ。


アレス「俺どうかしてたわ!!酔っぱらてたのかな!?酒気帯び冒険してたのかな!?

とにかく前セインが落選したんだから後セインも要らないわ。

それで彼は?


マルマ「彼はマシュー。


アレス「あー良かったセインじゃなくて!これから泥沼のセイン地獄入ったのかと思った!

さっきのはシンプルミラクルだったのね!


マルマ「かつて人間と魔物の戦争で、聖剣を使って人間を勝利に導いた偉大な勇者様だよ。


アレス「えそんな凄い人居た!?うわ俺マジでヤバイわ全く記憶ないもん!


マルマ「まあ仕方ないよ。マシュー様はなんの会話もなくしれーっと仲間になったから。


アレス「そうなの!?偉大な勇者様がしれーっと仲間になることある!?

ちょっと言ってくださいよもうー!マシューさん!ここまでの冒険で全然戦ってないんで落選でーす。

彼は?


マルマ「あっその人クリスって言うんだけど女子だよ。


アレス「女子!?え女子!?確かに顔はどっちでもいいような感じだけどなんで上半身裸なの!?


マルマ「あーなんか服にトラウマがあって着たくないんだって。


アレス「服にトラウマ!?服にトラウマ出来ることってある!?


マルマ「そのクリスの全てが分かりそうなダンジョンがあるらしいんだけど見つからずにここまで来ちゃったね。


アレス「ヤベーめちゃくちゃ気になるー!!明日戦いに集中出来ないかも知れないー!クリスの全て知りたいー!

うわなんで見付けられなかったんだろ悔しいわー!こんなに悔しいの俺の村を焼いた魔物に勝てなかった時以来だわー!

はあ、しょうがない。次、彼女は?彼女でいいんだよね?服着てるもんね?服着てるのは普通か。訳分かんなくなってきた!


マルマ「彼女はクティ。人間に育てられた獣さ。


アレス「おー......普通じゃない?

そんな獣に育てられたみたいに言われてもさ!


マルマ「でもほら凄くない?

人間に育てられたから普通に2本足で立って人間の言葉しゃべってる。クティただのネコだったんだよ?


アレス「おー凄いー顔もほぼ人間だもんねー。

.....いや人間に育てられたからこうなるんだったらペットみんなこうなるだろ!クティが天才で人間的なだけだって!

じゃあ次は。...あーあとみんなごめん!宣言しとくけどとても全員は見れないわ!

10人行くかも分かんないわ!どうしても触れてほしい人はアピールして!


.....................


アレス「...おいこんだけ人が居てグイグイ系1人も居ないってことあるか!?

そんなんだから600人も居て俺が顔と名前が一致してるの7人なんだよ!全く...君は?


マルマ「彼はザック。全ステータスがMAⅩの無敵男だよ。


アレス「えっそんなの居た?仲間に無敵居たの?...お前アピールしろよ!!

お前が居たらめちゃくちゃ楽だったじゃん!はいはいはーいって手挙げなきゃ!僕無敵でーすって!

危なく無敵男無しで魔王の城乗り込むところだったろ!それで負けたら全部お前のせいだぞ!


マルマ「あーもうやめたほうがいいよ!ザックあんまり詰められたらわー!ってなっちゃうから!


アレス「わー!ってなるなよ!わー!って弱々しい奴が覚醒する最後の手段だからさ!

お前みたいな強いヤツは堂々としてればいいんだよ!

黙って俺に付いてこいみたいな感じで先頭に立ってさ!あーあ!わー!ってなっちゃったよ!!

おいー!俺まだまだ詰めるつもりだったのに!詰め序盤だったのに!

おいしっかりしろよ!人間なんて大キライだー!じゃないんだよ!


マルマ「あっクティがザックに近づいてって...顔ペロペロしてる。やっぱ猫らしいとこあるんだね。


アレス「とにかくザックは絶対連れてくから!

それで彼は?


マルマ「彼は.....えーっと.....ごめんデータ取り忘れてた。


アレス「ほらーお前もアピールしないからー!!

自分で分かってたでしょ!あれ俺取られてねぇなって!さっきのアピールタイム活かせよ!


マルマ「仲間データ599人ってなってておかしいなとは思ったんだよねー。


アレス「あっ仲間本当に600人だったんだね!

俺ザッと見てなんとなくで600って言ったんだけど当たってたんだね!スゲェ俺のザッと見数え能力。

それはいいとして。そこのめちゃくちゃキレイなあなたはどなた?


マルマ「彼女はセリア。アレスの元カノだよ。


アレス「あやっぱり!?似てるなとは思ってたの!めちゃくちゃタイプでさ!

俺スゲェがんばってストーカースレスレのアプローチしてさ!

やっと恋人同士になったのに他に好きな人がいるって出てったじゃん!なに一緒に旅してんの!?

えっいつから!?いつから居た!?


マルマ「うーん1年前くらいかな。


アレス「俺1年間知らずに旅してた!?元カノの前でぱふぱふしてもらってたりしてた!?うわ怖っ!恥ずっ!

居るなら言ってよ!俺めちゃくちゃ未練あんだぞ!!!

俺セリアのこと忘れた日は1日もなかったよ!ぱふぱふされてたって思ってたよ!

セリアほど素晴らしい女性はこの世に居ないからね!!!


おいこんな大告白してるのに手で大きなバツ作るだけでフるなよ!!

なんでだよ...こんなに思ってるのにダメなのかよ...!ちくしょおおお!!!

あっやめてクティ顔ペロペロしないで?きみ心は猫でも見た目は女性だからまずい。

セリアの前ではやめて?俺あんなにフられてもまだ100で諦めてないの。


マルマ「ほらアレス元気出して。今日中に最終メンバー決めないと。


アレス「あとお前誰だ!!!


マルマ「..へ?僕?


アレス「600人のデータまとめるって俺には絶対出来ないかことやってくれてるから目つむってたけどさ!

俺もう人に優しく出来る精神状態じゃないんだお前誰だ気持ちわりいな!!!


マルマ「いや気持ちわるくはないでしょ。


アレス「誰なんだよ!!急に出て来てしゃしゃんな部外者!!!


マルマ「ちょっとさすがにひど過ぎない?おさななじみのマルマだよ!おさななじみでセリアの今カレの...やべっ。


アレス「.....お前いまなんて言った?


マルマ「...だから!僕が今セリアと付き合ってるの!

アレスとの関係に悩んでたセリアと酒場で会って!相談に乗ってる内にそういう関係になったの!


アレス「...てめえ...!てめえのせいだったのか...!

はーいみなさん見ててください!モンスターですらとどめは刺さずにここまで来た私がこいつに初とどめいきまーす!


マルマ「ヤベエ!逃げようセリア!(走っていく)


アレス「待て!!ヤベッ精神から足に来て足動かない!待てー!!!いっちまった。

...なんでだよ...こんなに必死に世界を救うために頑張ってる俺が、

なんで最愛の人にはフられ、よく分かんない自称おさななじみに裏切られるんだ。

ちくしょう。ちくしょうーー!!!

.....ごめんクティやっぱりペロペロしてもらっていい?ちょっとネコパワーでももらわないとやってられないわ。

...あー癒されるー。やっぱり舌ザラザラしてんだねー。

ありがとう。少し落ち着いたよ。ただとても魔王とは戦えない。

明日からは俺たちは!クリスのダンジョンを探す!!一緒に来たい者は手を挙げてくれ!


..................


だから1人くらいグイグイ来いよ!!




最後までありゴトウ!

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