第17話 お久しぶりです
文字数 1,351文字
『ふきのとうレーベル』、約1年ぶりの再起動じゃ。
ウサギさん、海ちゃん、どうじゃ、元気にしとったか?
黒猫さん、ウサギは元気だよ。
毎日新鮮でおいしいものを食べているからね。
おう、黒猫、ちょうどよかった。
被災地支援で「寒ブリ」を入手したんだ。すげーイキがいいぜ。
今夜は「ブリしゃぶ鍋」とシャレ込もうじゃねえか。
注:これを作り出したのが3月でした、だいぶ時間が空いてしまい……
寒ブリの旬はスルーしてください。
季節の変わり目、風邪っぴきにならないように、ネギもたっぷり用意するよ。
どれ、ウサギが聞いてあげよう。
どうしたの? 黒猫さん。
パートさんが契約満了で退職してしまってのう、人員減で仕事量が増え、神経と目がバキバキなんじゃ。
あんまり根詰めるな黒猫、ほら、小判やるから元気出せ。
初めて読んだ方へ
海ちゃんは、徳川の埋蔵金を保有する資産家設定です。
(『ホラーSFコメディ?反ワクチン派の生き残った世界』にて)
(引き出しから発掘した慶長小判)
(もらったのか、なにかのオマケなのか、とんと思い出せぬ)
無限のパワーを引き寄せるんだって!
よかったね、黒猫さん!!
黒猫さん、小腹すいていない?
長老からいただいた苺の大福さんがあるよ。
深蒸し茶と一緒に召し上がれ。
かたじけない、いただくでござる。
ムシャムシャゴクゴク
腹くちくなったら気持ちが落ち着いてきたようじゃ。ありがとう、ウサギさん。
パートさんが辞めたのは痛かったが……同時期に大御所お局とセクハラウザ爺も退職したし、加えて、隙あらば居ない人の悪口を言いたてずにはいられない病に侵されている職員も転勤になっての、空気がきれいになったんじゃ、良いこともあったわい。
毎日、心の中でひっそり感謝祭を開いての、静かに喜びを噛みしめとる。
セクハラウザ爺は笑えない下ネタを言うタイプで、黒猫が若黒猫だった頃言われたんじゃ。
この爺、滑舌が悪くての、さらに下ネタを言うとき興奮するのか妙なテンションになってしまうため更にリスニングが困難になるんじゃ。
何言ってんのかわからないし、どうでもいいし、聞き返すまでもなく流していたが、言葉を発しているときの爺の顔つき、ふるまいなどから総合的に判断するに「下ネタ」判定となっての……
爺は日本語しゃべっているんだよね?
どんなこと言われたの?
しゃべっておるのは一応日本語じゃ。
一例じゃが、帰りがけに自転車を押していたら近寄ってきて「このサドルで感じているんだろ」と言われるなど。
まさかサドルでそんな連想をするなんて思いもよらないし、爺の滑舌は悪いし、翻訳に時間がかかっての。
キモイ! 俺、そういうこと言う奴嫌い!!
だいたいよ、噛みながら必死こいて言うことかね、下ネタって。
海ちゃんはこう見えて、下ネタNGなんだよネ。
黒猫さんて、たまに変な人に絡まれるね~
お疲れさま、お茶のお代わりいかが?
(自分の匙加減でキャラを動かしているとはいえ、ウサギさんと海ちゃんは可愛いの、大好きじゃ)
(ここは居心地がいいのう……)
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