序 章 偶発事故

文字数 970文字


森林 ♡ 温泉 ♡ 歓楽 ♡ 保養 ♡ 公園惑星( ティアラ )の日常

(第3稿) (2018年11月23日~)

霧樹里守(きりぎ・りす)


序 章 偶発事故


いきなりキスされた。
前歯がぶつかった。
ガチンて痛かった。
舌まで入れられた。

はぁはぁいってて、
冷や汗かいてて、
がくがく震えて、
股間が硬かった。

びっくりしたのでカタマッテいた。
だってどうしてそうなったのか。
いきなり過ぎて、反応できない。
どうしたの、突然?!?

これはどっちだ?
好意か?
暴力?
どう、反応したらいいの…????

背骨が痛くなるくらい、
のけぞって。
口づけられて。
深く。深く…。

…唾液が。溢れて。
熱くて。暖かくて…
喉の奥まで、垂れてきて…
…すこし、息が、…苦しい。

…目を閉じた。
いやじゃ、ない。
これは… 優しいよね?
暴力じゃ、ないよね…?

いやじゃ、なかった…
…んだけど。
腕を離された後は、ただもう恥ずかしくて。
恥ずかし過ぎて。

顔を、あげられなくて。
何も言わずにいたのが、
気分を害した?
…らしい。

それからずっと、避けられている?
悲しい。
哀しい。
さみしい。



いきなりキスしたのは悪かったと思ってる。
地獄の底より深く真剣に反省している。
まずとにかく「していいか」どうか本人の意思を聞くべきだったし、
いやその前に「なぜ、したいのか。」を伝えるべきだった。

だけどそもそも説明が、うまくできるものなら!
イキナリ。なんてことには、ならなかったわけだし。
なにを、どこから、説明したらいいのか?
どうやったら、解るように説明できるのか…!

…とにかく、反省だけはしている。
これじゃただの変質者じゃないか!
間違いなく、性的暴行だ。
セクハラなんてレベルはとっくに通り越してる。

いっそのこと、
「通りすがりにいきなり抱きついてきてむりやり接吻して、
舌まで入れたうえに勝手に腰をこすりつけてきて、
一方的に路上で立ったまま射精までしやがった、
コイツ変態です!」

…と。
まさしくただの痴情犯として、
警察に通報してくれることを、願ったが。
…あいつは、そんな冷酷なこと、しない…。

その後、あいつをまともに見れない。
遠くに見えたら、ひたすら逃げ出す。
だけど、最近、なんだか…
元気が、ないよな…?

…心配だ、心配だ…!

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