第35話
文字数 854文字
カナトさんをベッドの上にそっと乗せるシュウトくん。
ここはどうやらシュウトくんの部屋のようだ。
ラビは亜空間を出ると、
いつも通りの子供の姿に戻り、
床の上にぽんと座った。
(私、いま多分
15歳くらいだよね……。
2年間の記憶って……なんだっけ。
絶対に忘れたくないことは……。
……。
……カナトさんとの記憶は……。
……。
12歳の記憶は残るかなぁ……。
シュウトくんのことは……忘れちゃうかも……。
りっちゃんは、大丈夫……。
あっ……ラビのことも忘れちゃう……?
……まあラビは、いいか……。
……ふぅ……本当にノートにいろいろ書いておこうかな……。
ん……、大丈夫……。
……記憶なんて……何回か消されたし……。
こわくない……)