第40話
文字数 294文字
ここは……？
カナトさんの声。
カナトさん……！目が覚めたの……？
……。
誰……
……
（カナトさん……もしかして記憶が……？）
…………
……どうして、泣いているんだ……？
……
カナト……お前、記憶が……
……
俺のことも、分からないのか……？
……誰……
……
ラビが言うように、カナトさんは記憶を失っていた。
……ただ、シュウトくんが話してみると、全てを忘れてしまったわけではなく、
ところどころ記憶が抜け落ちてはいるものの、
どうやら肉体年齢と同じである、”１７歳くらいまでの記憶”はありそうだ、とのこと。
……私とカナトさんが出会ったのは、カナトさんが１８歳の時だから、
私との思い出は……一つも残っていなかった。
