第23話
文字数 481文字
あれからすぐに電車にのり、新幹線にのり、
私は京都の高台にきた。
京都の高台をしばらく歩いていると、
ぽつ、ぽつ、と雨が降ってきた。
（あ……どうしよう……傘、持ってない……）
とりあえず屋根のある場所に移動し雨宿りをする私。
雷がなり、雨風はどんどん酷くなっていく。
目の前で、雨が地面を叩きつけるように降っている。
屋根と言っても簡易的な物で、風が横に吹いている以上、
降ってくる雨を、すべて防げるわけではなかった。
（どうしよう……全然考えもなしにきちゃったな……）
ふと、後ろを振り返り、
今日は休業らしきアイスクリーム屋さんを外から眺めた。
（カナトさんと何度か一緒にきた、アイスクリーム屋さんだ……）
……
（カナトさんが、アイスクリームの種類を選んでいたとき、
チョコレートを選ぶような気がしていたのは、気のせいじゃなかったんだ……。
……。
カナトさん……
あの日……
どんな気持ちで、私と一緒にいたの……？
雪降る公園で再会した時、
初めて会ったようなセリフを聞いて、どう感じていたの……？
……。
今……どこに……いるの……？
カナトさん……。
ぐす……ぐす……。
カナトさん……カナトさん……）
