第15話
文字数 433文字
私はカナトお兄さんを、モンスターの攻撃から守ろうとして、
大けがをした。
お兄さん達の治癒能力で、命に別状はなかった。
……だけど……。
言っておくがカナト。
お前のことを、自分の体をはってまで助けたいとおもうなんて、
記憶を残しておくと、これから先どんな影響がでるか分からない。
パトローラーのお前自身が、この子に大きなパラレルワールドを作ってしまいかねないぞ。
かわいそうだが、記憶は残しておけない。
お前はずっとそばにはいてあげられないんだから……。
この子の将来も考えて……
私の手をぎゅっと握っていた、カナトお兄さんの瞳から、ぽろぽろと涙が零れ落ちる。