第4話 結婚式の披露宴の後

文字数 774文字

 こんにちは 紫雀です。
 やたら、友達の結婚式が続く20代後半の頃のお話です。

 短大時代の同級生が、お見合いをし、結婚が決まったというので、私が友人代表でスピーチする事になりました。

 結婚式当日、私は彼女の結婚相手に初めてお目にかかりました。
 メガネをかけた素朴な感じの田舎の青年風
 好感のもてる人でした。

 私にはスピーチは初めての事。とにかく、「おめでとう」を連発し彼女をほめちぎる事だけに専念し、なんとか、スピーチを終えることができました。

披露宴は滞りなく終わり、新郎新婦が、空き缶をたくさんつけた車に乗り込んで、新婚旅行の為に、空港に向かうのを万歳三唱で見送った後。
背後から、声がかかりました。

「あのー、Sさん」

 非常に小さく遠慮がちな声の主は『新婦のお母様と親戚のおばさまらしき人』でした。

「はい、なんでしょう?」
 ともかく、笑顔で振り向いた私。

「あの二人、うまくいくんでしょうか?」

『えっ?』(゜-゜)
 ナンデ、ソンナ、コトヲ ワタシニキクノ (@_@;)

「私、心配で、心配で・・・」とおっしゃるお母様

 えっ?えっ?(-_-)
 彼女は好きで結婚したんじゃないのぉー??\(◎o◎)/!

(顔文字はすべて、私の心の中を表現しております)

 私、ひきつりそうな笑顔を、ひきつらないように努力しました。
 結婚式に「別れる、切れる」は禁句です。

「ええっ、きっと大丈夫だと思います♥」

 めいっぱい明るく答えました。

 でもね、お母様、私、新郎に会うのは今日がはじめてなんですよー。
 占い師じゃあるまいし、そんなこと解る訳ないじゃないですかー。
 と心の中で叫びながら……家に帰りました。
 とっても、びっくりした結婚式でした。

でも、あれから十数年、彼女はやさしいダンナサマと離婚することなく、三人の子供たちに囲まれて幸せに暮らしています。

めでたし、めでたし。
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