恐縮する男
文字数 293文字
真夜中のゴミ捨て場に、宇宙服を着た男がゴミ袋を持ってそっと近づいていく。
ゴミ袋はもぞもぞと動いている。
男はゴミ捨て場の隅にゴミ袋を置いて、すぐに立ち去ろうとする。
「ちょっと待ちなさい」
女の声がする。男が振り返ると、寝間着を着た老婆が立っている。
「あんたね、ルールを守らないのは」
老婆は怒っている。
「あんたのゴミ袋をカラスが破って、ゴミが出てきてね、そのゴミにあたしこないだ、宇宙へ連れ去られそうになったのよ」
男は平身低頭する。
「その前も、あんたのゴミに神を見せられそうになったり、脳を吸われそうになったり」
男は怒る老婆の目に黒目がないことに気づく。
男はますます恐縮する。
ゴミ袋はもぞもぞと動いている。
男はゴミ捨て場の隅にゴミ袋を置いて、すぐに立ち去ろうとする。
「ちょっと待ちなさい」
女の声がする。男が振り返ると、寝間着を着た老婆が立っている。
「あんたね、ルールを守らないのは」
老婆は怒っている。
「あんたのゴミ袋をカラスが破って、ゴミが出てきてね、そのゴミにあたしこないだ、宇宙へ連れ去られそうになったのよ」
男は平身低頭する。
「その前も、あんたのゴミに神を見せられそうになったり、脳を吸われそうになったり」
男は怒る老婆の目に黒目がないことに気づく。
男はますます恐縮する。