冗談のつもり
文字数 285文字
義母の葬儀の前日、葬儀社が、弔意測定器を貸してくれた。
「明日の参列者の中に何人か怪しい人がいる」
と相談したら
「それでは」
と貸してくれたのだ。
動作テストを兼ねて、自分の弔意を測定してみた。
ピロピロ。間抜けな音だ。
数値を見る。
まぁ、義母だから、こんなものだろう。
眠っている夫の弔意を測定してみる。
ピロピロ。
まぁ、実母だから、こんなものだろう。
台所の隅で丸まっていた飼い猫に測定器を向ける。
冗談のつもりだった。
ピーッ、ピピピ。
深刻そうな音がして、機械が止まってしまった。
エラー。
私は、この猫を飼う時、義母だけが反対していたことをふと思い出した。
「明日の参列者の中に何人か怪しい人がいる」
と相談したら
「それでは」
と貸してくれたのだ。
動作テストを兼ねて、自分の弔意を測定してみた。
ピロピロ。間抜けな音だ。
数値を見る。
まぁ、義母だから、こんなものだろう。
眠っている夫の弔意を測定してみる。
ピロピロ。
まぁ、実母だから、こんなものだろう。
台所の隅で丸まっていた飼い猫に測定器を向ける。
冗談のつもりだった。
ピーッ、ピピピ。
深刻そうな音がして、機械が止まってしまった。
エラー。
私は、この猫を飼う時、義母だけが反対していたことをふと思い出した。