あの日の海
文字数 285文字
恋人と喧嘩してしまった。また喧嘩してしまった。最近、喧嘩ばかりだ。もう私たちは、お互いを、知りすぎてしまったのかもしれない。
こうなったら、仕方がない。
私は抽斗の奥から、一枚のメモを取り出した。それは、私たちが恋人同士になったばかりの時、恋人が私に教えてくれた、恋人を初期設定に戻すためのパスワードが書かれているメモだった。
私はその夜、恋人を自宅に呼び、恋人の前で、パスワードをつぶやいた。
その瞬間、恋人が悲しい笑顔を浮かべ、そして蛸になって、べちゃっと床に落ちた。
そう言えばこいつ、元々蛸だったっけ。
ああ。
私は私たちが出会ったあの日の海を思い出していた。
こうなったら、仕方がない。
私は抽斗の奥から、一枚のメモを取り出した。それは、私たちが恋人同士になったばかりの時、恋人が私に教えてくれた、恋人を初期設定に戻すためのパスワードが書かれているメモだった。
私はその夜、恋人を自宅に呼び、恋人の前で、パスワードをつぶやいた。
その瞬間、恋人が悲しい笑顔を浮かべ、そして蛸になって、べちゃっと床に落ちた。
そう言えばこいつ、元々蛸だったっけ。
ああ。
私は私たちが出会ったあの日の海を思い出していた。