洗濯機の使い方

文字数 285文字

 ペットショップで殺人鬼が売られていた。
 人懐っこい殺人鬼で、俺がケージを覗くと、俺の首を絞めようとして手を伸ばしてきた。
 先日、ペット可のマンションに引っ越したことだし、つぶらな瞳が気に入ったので、飼うことにした。
 ペットショップの店員によると、この殺人鬼には洗濯機の使い方を覚えさせたらしい。助かる。返り血のついた服を俺がいちいち洗わなくても済むということだ。
 ケージと鎖と手錠の他に、出刃包丁と鈍器も買った。餌は餅やアップルパイが好物とのことだった。
「名前をどうしようかな」と考えながら自宅へ帰ったら、早速殺人鬼が俺を殺そうとしてきた。
 残念。俺は死ねないんだよ。
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