宝石のマーク

文字数 277文字

 夕方のニュース番組を観ていた。天気予報のコーナーが始まった。明日の天気図の、私たちの街に、宝石のマークが出ていた。
 明日は、私たちの街に、神様が宝石を降らせるらしい。
 神様に憐れまれているのだ。
 確かに、この数か月、この街にはろくなことがなかった。殺人も誘拐も多かった。私の家も放火の被害に遭ったっけ。
 でも、だからといって、宝石が降ればいいというものでもないことは、昨年のあの国の事件を思い出せばわかるはずだ。
 神様は何でこんなことをするのだろう。
 もしかして、わざとなのだろうか。
 背中に薄ら寒いものが走った瞬間、屋根の方から、こつり、と音がした。
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