第2話 探偵たちは決戦地を知っている
文字数 1,121文字
アバター&ボイス
:開始前に詳細な調整ができる
途中で変更はできない
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賞金は出ない。
だが、優勝すればゲームの仕様に関して願いを一つ叶えてくれるという。
「島を探索するよ!」
元気いっぱいの閻羅 に連れられてぼくは外に出た。ぼくは言う。
「前とそれほど変わらないんじゃないか?」
「クリスティフェスも金田一フェスもここだったけどさ。ほら、全然違う。ライヘンバッハの滝かもしれないよ」
目の前には細い川。崖へと続いている。
そこでは本拠地 が佇んでいた。
「お散歩? それとも下見かな?」
気さくに話しかける閻羅に、本拠地はライバル心むき出しの目を向けた。そしてぼくを一瞥する。
「昨日、エレベーターホールで見張っていたのは君か?」
「まぁ、そうです」
「やはり山田氏か。評判どおりの狡猾剽悍 ぶりだな。それにしてもなぜ姓牙淵 氏は君の同行を許したのだろう? もしや深湯甕 という人物は二人組なのかな?」
「それならゲーム内に別々で招待しないんじゃないかな?」
本拠地が一歩踏み出す。
二人を相手にしても向かってくるとはね。
彼を唯一無二の探偵にした気性。
彼は自分以外の探偵を認めない。
犯人よりも探偵を憎む探偵殺し。
彼のいるところ、探偵候補たちは次々と被害者になっていく。
OK。誰もがわかってたことだ。
さて、相手の明確な殺意を証明できなければこちらが犯人になってしまう。
閻羅を犯罪者にするわけにはいかない。
スキルは? アイテムは?
当然のように上陸時に持ち込み検査はなし。
それどころか、姓牙淵によって島の各所に武器が用意されていてもぼくは驚かないだろう。
閻羅に向かってずんずんと歩いてくる本拠地にたちはだかるぼく。
本拠地の右手がぼくに伸びる。
犯意の証明はめんどくさいものだ。
正当防衛も楽じゃない。
凶器を出す前に片付けよう。
相手の動きを利用して本拠地の腕を捻りあげようとして、ぼくの左腕が吹き飛んだ。
最悪だ。
「しくった!!」
ぼくは急いで後ろへと飛び退いた。
しかし本拠地はさらに距離を詰めている。
死んだと思ったと同時に、銃声が轟いた。
本拠地の右太もも削られるようにして飛び散る。
鮮血に目が眩む。
信じられない体捌きで急所を避けた本拠地は右腕で止血をしながらすぐに体勢を立て直した。
ぼくは止血どころじゃなかった。このままじゃやられる。
ーーしょうがない。
ぼくは本拠地に飛びかかろうとしていた閻羅の身体を借りると、援護射撃と同時に本拠地を殴り倒した。
反対方向から来た弾丸で、本拠地の腹から血が吹き出す。
生捕りなんて余裕はない。ぼくは直ちにとどめを刺した。
ちくしょう。
ギラついた眼光がぼくを嗤っている。
あんな動きができるのはただ一人。
こいつは本拠地じゃない。
野獣だ。
:開始前に詳細な調整ができる
途中で変更はできない
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賞金は出ない。
だが、優勝すればゲームの仕様に関して願いを一つ叶えてくれるという。
「島を探索するよ!」
元気いっぱいの
「前とそれほど変わらないんじゃないか?」
「クリスティフェスも金田一フェスもここだったけどさ。ほら、全然違う。ライヘンバッハの滝かもしれないよ」
目の前には細い川。崖へと続いている。
そこでは
「お散歩? それとも下見かな?」
気さくに話しかける閻羅に、本拠地はライバル心むき出しの目を向けた。そしてぼくを一瞥する。
「昨日、エレベーターホールで見張っていたのは君か?」
「まぁ、そうです」
「やはり山田氏か。評判どおりの
「それならゲーム内に別々で招待しないんじゃないかな?」
本拠地が一歩踏み出す。
二人を相手にしても向かってくるとはね。
彼を唯一無二の探偵にした気性。
彼は自分以外の探偵を認めない。
犯人よりも探偵を憎む探偵殺し。
彼のいるところ、探偵候補たちは次々と被害者になっていく。
OK。誰もがわかってたことだ。
さて、相手の明確な殺意を証明できなければこちらが犯人になってしまう。
閻羅を犯罪者にするわけにはいかない。
スキルは? アイテムは?
当然のように上陸時に持ち込み検査はなし。
それどころか、姓牙淵によって島の各所に武器が用意されていてもぼくは驚かないだろう。
閻羅に向かってずんずんと歩いてくる本拠地にたちはだかるぼく。
本拠地の右手がぼくに伸びる。
犯意の証明はめんどくさいものだ。
正当防衛も楽じゃない。
凶器を出す前に片付けよう。
相手の動きを利用して本拠地の腕を捻りあげようとして、ぼくの左腕が吹き飛んだ。
最悪だ。
「しくった!!」
ぼくは急いで後ろへと飛び退いた。
しかし本拠地はさらに距離を詰めている。
死んだと思ったと同時に、銃声が轟いた。
本拠地の右太もも削られるようにして飛び散る。
鮮血に目が眩む。
信じられない体捌きで急所を避けた本拠地は右腕で止血をしながらすぐに体勢を立て直した。
ぼくは止血どころじゃなかった。このままじゃやられる。
ーーしょうがない。
ぼくは本拠地に飛びかかろうとしていた閻羅の身体を借りると、援護射撃と同時に本拠地を殴り倒した。
反対方向から来た弾丸で、本拠地の腹から血が吹き出す。
生捕りなんて余裕はない。ぼくは直ちにとどめを刺した。
ちくしょう。
ギラついた眼光がぼくを嗤っている。
あんな動きができるのはただ一人。
こいつは本拠地じゃない。
野獣だ。