第8話 事件の行く末を占ってみようか
文字数 1,232文字
占いスキル:他人のスキルと
スキルの使用時間がわかる
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そろそろ反撃しようか。
円卓に戻って、閻羅 は言う。
「次々と人が亡くなっているんだ。迎えの船がくるのは3日後。どうかな? それまで固まって行動するっていうのは?」
「嫌です」
華満 に食い気味で拒否された。
そりゃそうか。
肩をすくめて、半崎 も同調する。
「俺も遠慮しときます」
ピシッと宣伝の手があがる。
「私は賛成です!」
全も続く。
「私も一緒にいたほうがいいと思います」
内田は煮え切らない。
「俺はどうかなー。活躍したいですし」
術中 は賛同した。
「私も賛成だ」
閻羅は何度もうなずいた。
「僕は次に襲われるまで手出しができないーーわけじゃないんだな。ねぇ、宣伝さん。宣伝さんのスキルは占いだ。違う?」
宣伝はぴしっと手をあげた。
「そのとおりです!」
占いスキル。相手のスキルの詳細を知ることができるのだ。
「スキルを知ることで真相に迫れる事件が1つある。13人目が誰かを殺して成り変わった事件だ。半崎さん。あなたは変装スキルをもってるね?」
宣伝が高らかに断言した。
「視えます! わたくしには視えるのです! 半崎様は変装スキルを持っています! そして、術中様は天気スキル。全様も天気スキル。華満様は料理スキル。内田様は科学スキル。深湯甕様は医療スキル。山田様も医療スキル。潮尾様は料理スキルです!」
半崎が腕を組んだ。
「証明にはなりませんよ。最初に設定する時点で誰かの姿なら変装スキルは必要ないですよね?」
占いスキルの大きな難点は、占いスキルを持っていることや、それが的中していることを他者に明示できないことにある。基本的に防衛用のスキルであり、当人は他のスキルを持っていると見せかけた方が得だ。
それでも閻羅は迫る。
「あの半崎ささらが変装スキルだよ?」
「今回は特別ですからね。人数が変動した時刻は全さんの証言をもとにしています。その前提自体、信用度が高くないんです」
「思い出してください。宣伝さんは知ってるんですよ。半崎さんのスキルが途中で変わったことを」
宣伝は両手で顔を隠し、ばっと指を広げて半崎を見た。
「2日目、外出から戻られた半崎様のスキルは料理から変装スキルになっておりました!」
半崎は肩をすくめた。
「結局、誰を信じるかの話ですね。そもそもなぜ指摘しなかったんですか?」
宣伝は胸を張った。
「私の使命は宣伝すること! すなわち生き残らなくてはなりません! しからば私のスキルは安全な人間を見極めるためのものであって、わざわざ犯人をひきよせるなどもってのほかであります!」
半崎はみんなの顔を見回した。
「それで? どうするんです? 証拠はないんですよ」
すかさず内田が提案する。
「帰りの日まで軟禁ですかね?」
あーあと半崎は背もたれに身体をあずけた。
「宣伝はこっちの味方じゃがなかったのかよ」
半崎の変身が解けていく。
せこいな。捕まりたくないってこと。
少女の姿が現れ、愛嬌が振りまかれる。
「さっすがおねえちゃんだね!」
スキルの使用時間がわかる
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そろそろ反撃しようか。
円卓に戻って、
「次々と人が亡くなっているんだ。迎えの船がくるのは3日後。どうかな? それまで固まって行動するっていうのは?」
「嫌です」
そりゃそうか。
肩をすくめて、
「俺も遠慮しときます」
ピシッと宣伝の手があがる。
「私は賛成です!」
全も続く。
「私も一緒にいたほうがいいと思います」
内田は煮え切らない。
「俺はどうかなー。活躍したいですし」
「私も賛成だ」
閻羅は何度もうなずいた。
「僕は次に襲われるまで手出しができないーーわけじゃないんだな。ねぇ、宣伝さん。宣伝さんのスキルは占いだ。違う?」
宣伝はぴしっと手をあげた。
「そのとおりです!」
占いスキル。相手のスキルの詳細を知ることができるのだ。
「スキルを知ることで真相に迫れる事件が1つある。13人目が誰かを殺して成り変わった事件だ。半崎さん。あなたは変装スキルをもってるね?」
宣伝が高らかに断言した。
「視えます! わたくしには視えるのです! 半崎様は変装スキルを持っています! そして、術中様は天気スキル。全様も天気スキル。華満様は料理スキル。内田様は科学スキル。深湯甕様は医療スキル。山田様も医療スキル。潮尾様は料理スキルです!」
半崎が腕を組んだ。
「証明にはなりませんよ。最初に設定する時点で誰かの姿なら変装スキルは必要ないですよね?」
占いスキルの大きな難点は、占いスキルを持っていることや、それが的中していることを他者に明示できないことにある。基本的に防衛用のスキルであり、当人は他のスキルを持っていると見せかけた方が得だ。
それでも閻羅は迫る。
「あの半崎ささらが変装スキルだよ?」
「今回は特別ですからね。人数が変動した時刻は全さんの証言をもとにしています。その前提自体、信用度が高くないんです」
「思い出してください。宣伝さんは知ってるんですよ。半崎さんのスキルが途中で変わったことを」
宣伝は両手で顔を隠し、ばっと指を広げて半崎を見た。
「2日目、外出から戻られた半崎様のスキルは料理から変装スキルになっておりました!」
半崎は肩をすくめた。
「結局、誰を信じるかの話ですね。そもそもなぜ指摘しなかったんですか?」
宣伝は胸を張った。
「私の使命は宣伝すること! すなわち生き残らなくてはなりません! しからば私のスキルは安全な人間を見極めるためのものであって、わざわざ犯人をひきよせるなどもってのほかであります!」
半崎はみんなの顔を見回した。
「それで? どうするんです? 証拠はないんですよ」
すかさず内田が提案する。
「帰りの日まで軟禁ですかね?」
あーあと半崎は背もたれに身体をあずけた。
「宣伝はこっちの味方じゃがなかったのかよ」
半崎の変身が解けていく。
せこいな。捕まりたくないってこと。
少女の姿が現れ、愛嬌が振りまかれる。
「さっすがおねえちゃんだね!」