第3話

文字数 761文字

★ー佐々ー★

(いきなりおれの名前を呼ぶから、驚いた…)

(なんで、オレの名前…知ってんだ?)

「……?」

(ああ、そうか…さっきのオンナが、なんか叫んでたな。だからか……)

「……?」

首を傾げながら、不安げにオレを見上げる

大きな目

「佐々くん?」

オレの名前を呼ぶ…

甘い口調の声…

(ヤバい…、不意打ちすぎ…)

「……??」

   

(…超、カワイイ…)




(最初、声かけられたとき)

("こんな綺麗なオンナはじめてみた"…て、そう思ったんだ…)

(今だって…)

腰まである長い薄茶の髪が、シーツの上で羽みたいに広がってる

頰は、ほんのりピンク色に染まってて

胸は…、ベッドに横になっていても、その膨らみを失わない

息を吸うたびに、上下に揺れてる

(ちょっと、目のやり場に困るけど…)

(…目が離せない……)

 オトコの欲望を“コレでもかっ!”


     ……って、掻き集めて形にした

 そんな、オンナ

……が、オレに、組み敷かれてる

ドクン…

ガラにもなく、心臓が騒ついた

「…どお、したの?」

「……花」

「エッチ、するんじゃなかったの?」

「……っ」

クソ…

その、言葉に

……さっきまで感じていた

なんだか暖かな気持ちが、急激に冷めていく

「……ああ、そうだっな」

グイッ!!

「……あっ!」

力任せに花美の両腕を絡めとる

(つまんねぇの…)

(どうせ、そのカラダ使って、いろんなオトコと遊んでんだろ…)

「……?佐々、くん?」

(なんでだ?)

(なんでこんなに、ムカつく?)

「佐々…くん……?」

イラッ……

(めちゃくちゃにしてやる…)

そう思った

ギシッ…!

手を押さえつけたまま、距離を詰める

「……」

顔に影を落とすほどの、長い睫毛

(…いちいち、キレイでイライラする…)

細く白い首すじに

吸い寄せられるように、キスを落とす


「……え、⁉︎…あっ!」

「……」

「や、……」

「ぁ、あ、ぁああんっ!!」

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