第14話

文字数 1,021文字

自宅マンションのエントランスにつくと

佐々くんが目の前に手を差し出す

「花美、スマホ出して」

「?…う、うん」

言われるがままに差し出すと

シュ♩シュ♩…

「……ほら」

「え?もおいいの?」

あっという間に個人情報の交換が終わってた

LINEも登録済み

(??…どうやって、やったんだろ?)

(私のセキュリティーって、どおなってんの?)

あっけにとられて、戻されたスマホを眺める

「はぁあ〜〜っ…」

今日何度目かの佐々くんのため息

「……??」

「…つくづく…危ねぇ…」

そこから、しばしのお説教タイム

ショボン。。。

「こんな簡単に自宅バレとか、ありえねぇだろ」

「……うぅ」

「いいな?今度から、絶対に簡単にスマホをヒトに触らせるな」

「……はぃ」

でもさ、私だってバカじゃないんだよ
佐々くんならいいかな?って

一応、人みてるつもりなんですけど…

「ああ、それから、オレのコト好きになれよ?いいな?」

「……はぃ。…ん?」

「え!?…な、なんのこと!?」

ドンっ…

佐々くんは壁に私を追い込むと

覗き込むように顔を近づける

「ぇ?あ…待っ、、」

ピタ…

鼻と鼻がこすれるほど、近くで止まる

キスの距離……

「なんもしねぇよ…?…まだ」

「かぁあ/////」

ニヤリ…(佐々くんは余裕の笑顔)

ムぅっ…!

(もしかして、からかわれてる?)

佐々くんをにらむ

「佐々くんがシてくれるって言ったんじゃん!ウソだったの?」

「ははは」

「なに、機嫌よく笑ってんの!?私、怒ってるんだよ?」

「わかってる?佐々くん!」

「はは、悪りぃ…」

「でもさ、そんな頬ピンク色にして怖い顔したってオトコには逆効果だよ?花美」

「……?」

(わけがわかんない)

「……私、好きな人とハジメテはしないよ?」

「…なんで?」

「わかってるクセに!また失敗して、スキな人に嫌われるのは、もおイヤなの!」

「オレなら、大丈夫だと思うけどなあ?」

「そんなのわかんないじゃん…」

「あのなあ…オレだって、オンナなら誰でもいいわけじゃぁねえの」

「オレのことが好きだって、言うからさ、抱くんだろ?」

「ワガママ言わないでよ!」

「どっちがだよ…」

佐々くんは一歩も引かない

「いくらオレでも、“カラダだけの関係”なんて言われたら、傷つくなぁ〜」

(ウソばっかり)

「じゃあ、交差点でキスしてた何人かの女のコ達は、カラダだけの関係じゃないっていうの?」

(気持ちのやりとりが、あったって言うの?!)

――ズキン…

(…あ、あれ?)

胸が痛い

(なんで?)

(なんで、私ショック受けてんの?)

無意識に

うつむいた

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