第11話

文字数 704文字

★ーSIDE 佐々ー★

(目…、閉じてる)

(まだ、誰もみたことない、花美の顔…)

たまらない満足感が

湧き上がる

なにが、

"キスのとき目を閉じろ"…だ

(……ザマアミロ)

ほんのり色づいた頰

涙に濡れたまつげ

その、甘い姿を確認してから

唇を離す…と、

チュッ…

閉じられたまぶたの上に

キスを落とした

潤んだ瞳が現れる

「……」

ぼんやりと、オレを見つめる

とろん…

…と、溶けた顔

キスに濡れた唇が薄く開く

「…佐、々く…ん?」

「……ん?」

「…私、ちゃんと、でき…た?」

「……ああ」

笑ってやると

「…よかったぁ……」

うれしそうに、ほほえんだ

ドクンッ…!

                    ーーなんて、破壊力

「……(ゴク…)」

生唾を飲み込む

(これ以上は、ヤバい)

グイッ!

花美を引き離した

必死ココロもカラダも落ち着かせる

「……⁇」

オトコの反応なんかまるでわかってない

きょとん…と、した顔

オレに乱された姿のまま

無防備にベッドの上に座ってる

(…カワイイ…)

…けど

(めちゃくちゃ、抱きたいけど…)

「…佐々くん?」

(…もう、ヘタレでも、なんでもいいや)

(今は、抱けない…、無理だ)

(ヤりたいだけの、過去のオトコと同じなんて、絶対にゴメンだっ!)

「……」

花美が、オレを不安そうに見てる

だから、できるだけ優しく

安心させるように、声をかけた

「…初めては…さ、

好きなオトコとしな?…花美」

「……」

(ポカン…)

「……?」

なんだ?

「…え、、、?ぇえ⁇」

「……おい」

「な、なんで?……なんで、今の流れで、そおなっちゃうの!?」

「…はあ?!」

「このまま、シちゃうんじゃないのお?」

「なんでぇええええ〜〜〜〜!?」

(なんでって……)

(こっちが聞きたいわっ!このバカ!!)

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