第7話

文字数 1,057文字

★ーSIDE 佐々ー★

(やっぱりかっ!!)

(途中からさ、なんか、なんだか……さ)

(そんな気がしたんだよ!)

目の前の花美は……

チラ…

「ぅう〜、だって…だって……」

「もお、やだぁあああ〜〜っ!」

髪を掻きむしったり、ベッドを叩いたり、唸ってみたりしてる

(…ガキが)

「私だって、なんで?って、思うもん……でも、もし…」

「もし、…そ、その、もし、私がちゃんとエッチ出来てたら、違う結果になっていたかも…って」

「一緒にいられたかもって……」

ショボン……

「そのために、てっとり早く適当にヤっちまおうってか? 」

自分でも驚くほど低い、機嫌の悪い声
花美は、一瞬だけ体を強張らせたけど
コクン…
伏せ目がちに、頷く
「だ…、だって、またHできなくてフラれたら…どおしよう…って…」
「はあ?」
「もお、ホント、一生このままだったら、どっ…、どおしよう!!」

「はぁあ~…、なんなんだよっ…ったく!」

ビクッ!!

オレの溜息に、ビクビクと震え始める

こんなに、怖がってるくせに……


(何考えてんだ、このバカ!)

大体、ヤることしか考えてないから 

ヤれないってわかった途端、別れるんだろーが?

「……そんで?…オレに声かけたってわけだ…」

コクン…

「オンナの扱い慣れてそうだし、後腐れなさそうだし」

コクン…

花美はさらに頷く

「好きなオトコじゃないから、失敗しても傷つかないしなあ!」

「!!」

「なんで、わかるの!?

「あ、でもね。生理的に受け付けない容貌の人は、最初から無理なんで……」

「佐々くんの顔は結構好きかも」

「ばっかじゃ、ねぇの!?」

バシッ!


(花美の頭をはたいた)

「あいた!」

「痛くねぇよっ、手加減してやってんだろ!この、バカ!」

「……(むぅっ)」

花美がオレを睨む

(ヤバい…)

(全っ然、怖くねぇ……)

…っていうか 

(むしろ超カワイイんだけど…)

「っどぉおせ、バカだもん!」

ボスッ!!

オレに枕を投げつける

(こいつ、逆ギレしやがった!)

「バカばかバカばか言わないでよ!わかってるもん!バカに決まってんじゃないっ!!」

花美が勢いよくベッドの上で立ち上がる

ボスッ!!

もう一個あった枕をオレに投げつける

「やめろって!」

「こんなこと、バカにでもなんなきゃ出来ないにきまってんデショ!?」

「でもねぇ、佐々くんみたく、誰とでもホイホイ、エッチできる人には、私の気持ちなんてわかんないわよぅ!!!!」

花美はポロポロ涙を流しながら、一気にまくしたてると

はだけた制服の胸元に、かろうじて引っかかってたリボンを…

シュッ!

勢いよく引き抜く

「しばっていいから!!」

オレの目の前に突き出した

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