第13話
文字数 1,158文字
❤︎ーSIDE 花美ー❤︎
外はすっかり真っ暗になってて、
駅前はものすごい人混み
佐々くんは、私の手をつかんだまま、どんどん歩く
街の明かりに照らされて
佐々くんがキラキラ浮かび上がる
後ろ姿は…
なんだか
ドクン……
途端に不安になる
何度も繰り返された、"サヨナラ"のシーンがよみがえる
ドンッ!!
急に佐々くんが立ち止る
佐々くんの背中に、思いっきりぶつかる
佐々くんってば、私の顔を見もしない
なんだか険しい顔をして、辺りを見てる
私も佐々くんみたいに、周りを見渡してみる
よく見ると、数人のオトコの人が、佐々くんを見てお辞儀してる
交差点の向こう側にいる人も
佐々くんを見るなり、隣にいる人にも声をかけて、軽く会釈する
そおいう人が、結構いるのに気づく
手を繋いだまま、今度は駅に向かって歩き出す
てくてくてく。。。
私の歩幅に合わせて、ゆっくり歩く
そう言って、通りすがりの誰かをにらむ
怖い顔して、今度は私をにらむ
不思議。
ホテルでにらまれた時、本気で怖かったのに、いまはもう、全然怖くないや
それが、なんだかうれしい
交差点で感じた、佐々くんのイメージに反省
人は見かけで判断しちゃいけないって、本当にその通りだ
さらに反省…
少しだけ、
胸が切なくなった