第16話

文字数 1,627文字

❤︎ー花美ー❤︎

あれから3日

ようやく熱が下がりました

比喩的な意味じゃないよ?

自覚はなかったケド、かなりあの日のコトは衝撃的だったみたい

知恵熱……出ました


……はぃ

先生

「霧里さん、テスト終わったら帰っていいわよ?」

「はーい」

休んでてテスト受けれなかったから、今日は1人だけ放課後試験

「うああ〜ーっ、疲れたぁあ」

背筋を伸ばす

ちょっと、気が緩んでしまったのがいけなかったんだと思う

(佐々くん、今何してるのかな……)

ふと、そんなことを考えた

「!!あー!また!」

「ダメダメ!佐々くんのことは、もう忘れるってきめたんだから!」

パチン!

ほっぺたを叩く

(そう。佐々くんはダメ)

好きにならなきゃエッチしてくれないって、言ってたケド

私は好きな人とはしたくない

「ほらね!一緒にいる意味、ないじゃん」

そう、これ以上、近づいちゃいけない

「少し、お散歩して帰ろっかな…」

深呼吸する

不意に、佐々くんのコトを思い出してしまわないように

気を引き締め直して、私はまっすぐ前を見た

☆.。.:*・゚ ☆.。.:*☆.。.:*・゚ ☆.。.:*

★ー佐々ー★

キーンコーン…

チャイムがなる

「信じらんねぇ…」

スマホの画面を開くけど、やっぱり着歴はない

机に顔をうずめる

「佐々く~ん。どぉしたの~?」

「ねぇ、ねぇ、私が保健室連れてったげよっか~?」

「へーきだよ。ありがとな」

声をかけてるくるクラスのオンナに

顔は上げずに、手だけ振って答える

女子「「「きゃあぁぁ~~~っ!!」」」

(うるせぇ~…)

(どっからでてんだ、その声)

「…バカ花美」

ベッドの上で、涙目になってた姿が、鮮明によみがえる

身体が微熱を帯びてくる

「ヤバい…今すぐ抱きしめたい……」

(なのに、あのバカ……)

(なんで、連絡よこさねぇ〜んだよ!)

「オレからは、絶対しねぇぞ……」

「何が、しないんだ?」

頭上から降ってきた声に、おもむろに頭をあげる

「成久(ナリヒサ)……」

女子「「「きゃあぁぁ~~~っ!!」」」

「えらく、機嫌悪いじゃん。佐々」

「悪かねぇよ…てか、お前くると余計オンナがうるさい。どっか行け…」

ニヤニヤ

「?」

(珍しいな。あまり感情を表情に出すタイプじゃねぇのに)

「なぁ、お前は何かいいコトあったのかよ。機嫌んいいじゃねぇ?」

オレと並ぶ180cmほどある長身に、染めてない黒髪

たいして眼が悪いわけでもないくせに、かけてるメガネはセンスがよくて、気分によって週に2~3度変わる

今日はグレーのアンダーリム

(始めてみるタイプだな)

「そんなイライラするくらいならさ、メールなんか待ってないで、直接電話したらいいんじゃないのか?」

「……?」

「ああ、そうか、自分からオンナ呼び出したことなんかないもんな、佐々の場合、勝手に寄ってくるもんな」

(こいつ、いきなり、なに言ってんだ?)

(しかも、こんな楽しそうな顔は初めて見る)

(必死で笑いをこらえてるような……)

(ムカつく…)

「…なんのコトだよ。ああ?成久」

ジロッ…

「はぁ~…、彼女からのメールがないからって、あたるなよ」

「彼女だぁ~?」

「お前、プライド高いもんな、ここで自分から連絡したら、負けみたいな気がするんだろ?」

「はっ??」

「すっごいキレイな子だったもんな~」

「……」

「……」

(オトコ同士で見つめ合ったって、なんも面白くねんだけど……)

黙り込んだまま、じっと成久をにらむ

成久もオレを見据えてる

ニヤニヤしながら

「……」

(…まさか)

「…そうだな、あの制服……は…」

「…おい……」

「聖心女子だな」

「……!?」

「名前…は……」

「おいっ!チョット待て!!」

「霧里花美(キリサト ハナビ)チャン!!」

「なぁんで、お前が知ってんだよっ!!」

(しかもフルネーム!)

ガタン!!

思わず立ち上がった勢いで、座ってた椅子が吹っ飛んだ

キーンコーン…♬

「あ、残念。時間ギレだわ」

「おい!逃げんじゃねぇよ!ちょっと顔かせ!」

「俺、いちおう真面目で通ってるからさ、あとでな?」

キリッ!(……ニヤリ)

「成久、テメェ〜…あとで覚えてろよ!」

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