第10話

文字数 796文字

フワリと重ねられた唇が

次第に深くなる

「んん…、ぅ…ん、ンー」

目を閉じるどころか

ビックリすぎて瞬きすらできない!

「ん…ふぅう……」

…って、いうか…息!

息できないんですケド!?

キスのときって息継ぎいつすんの!?

いつ!?タイミング!?

「んんんっ…んんっ~~んっ!!」

苦しいっ!

動けなぁああいい!!

(死んじゃう!

死んじゃうってばぁぁああ~~!!)

たまらず佐々くんをにらみつけると

目があった

「…ぅ、んんっ!!??」

フッ……(笑)

(なんで、そんな楽しそうなのぉ!?)
それに…
やだ…
私のこと、ずっと見てる
(ずっと、見てたの!?)
きっと、私ってば

ひどい顔してる

眉間にはものすごく、シワよってるし

顔は引きつってるし、その……

息苦しくって、鼻の穴も広がってるよぅ…!

(やだ……)

(もお、やだぁ…もう…見っ……

見ないでよぅぅ!!バカ!)

ポロ…ポロ…

(涙、でてきたぁ〜っ)

…と、突然

唇が、解放される

瞬間、私は大きく息を吸い込んだ

「っは、はぁ、ふぁ~~…」

「花美…」

「……??…はぁ、はぁ…」

声なんか出ない

(なあに?)

首を傾げた

「……(カワイイなぁ)///」

「…? 」

佐々くんが、笑ってる

さっきより、ずっと

ずうっと、甘い表情

とくん…

なんか…

胸が、ギュゥっ…ぅ、って、、、イタイ

「花美」

さっきとは、反対のほうへ顔を傾けながら佐々くんがささやく

「…ほら、あーん」

「…?あ〜…??」

「…ん⁈…あ、ふぁ…、あ!」

まるでパズルのピースが当てはまるように

佐々くんの口が私の唇に収まる

ゆっくり唇を割られ、佐々くんが入ってくる……

「ぁ、や…らぁ…、あむ、んん〜」

さっきより、ずっとやさしい

吸い付くようなキス…

さっきより、深く……

さっきより、絡めるような……

「…は、(ヤバい…)」

「…ふぁ…あ…」

――くすぐった……

頭がぼぅって、する

佐々くんの全部が、優しくて気持ちいい

(キモちいいい…)

全身の力が抜けていく

瞳は、いつの間にか

閉じられてた

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色