第10話
文字数 796文字
フワリと重ねられた唇が
次第に深くなる
目を閉じるどころか
ビックリすぎて瞬きすらできない!
…って、いうか…息!
息できないんですケド!?
キスのときって息継ぎいつすんの!?
いつ!?タイミング!?
苦しいっ!
動けなぁああいい!!
たまらず佐々くんをにらみつけると
目があった
それに…
やだ…
私のこと、ずっと見てる
きっと、私ってば
ひどい顔してる
眉間にはものすごく、シワよってるし
顔は引きつってるし、その……
息苦しくって、鼻の穴も広がってるよぅ…!
ポロ…ポロ…
…と、突然
唇が、解放される
瞬間、私は大きく息を吸い込んだ
声なんか出ない
佐々くんが、笑ってる
さっきより、ずっと
ずうっと、甘い表情
なんか…
胸が、ギュゥっ…ぅ、って、、、イタイ
さっきとは、反対のほうへ顔を傾けながら佐々くんがささやく
まるでパズルのピースが当てはまるように
佐々くんの口が私の唇に収まる
ゆっくり唇を割られ、佐々くんが入ってくる……
さっきより、ずっとやさしい
吸い付くようなキス…
さっきより、深く……
さっきより、絡めるような……
――くすぐった……
頭がぼぅって、する
佐々くんの全部が、優しくて気持ちいい
全身の力が抜けていく
瞳は、いつの間にか
閉じられてた