第8話
文字数 1,154文字
なんか……
咄嗟に想像してしまった自分に自己嫌悪
顔、赤くないか?……オレ
ダメだ、こいつ……
まるで、オトコってもんを、わかっちゃぁいない
いままで、よく処女でいられたもんだ
なんとなく、花美の顔をまともに見れなくて、思わず顔を背けた
チラ…
視線の先に窓が見える
夜空を透かしたガラスに、俺たちの姿が映ってた
ベッドの上に堂々と立つ美しいオンナ(花美)
……と、
その彼女の足元に、膝を折り座り込むオトコ……(オレ)
なんか、なんだこれ……
★ーー★
チョコン……
……と、花美がオレの前に正座する
少し拗ねたような、上目遣いの大きな目
両腕に押しやられた胸が、深い谷間を作ってる
ビクッ!!
リボンを握った手が、小刻みに震え始める
本当に、さっきから、らしくねぇ……
オレは、オンナに怒鳴ったことなんかねんだよ
グシャグシャ…
(前髪を無造作に掻きむしる)
なんか…
なんか、さ……
納得いかねぇんだよっ
上手く言えないけど…
"こんなコト、してんじゃねぇよ…って、言いかけて
ドクン…
その小さな声に、なぜか心臓が震えた
前髪の絡まる指の間から、視線だけを上げて花美を見る
しょんぼりと、
項垂れた姿…
ブチッ!
感情の切れる音がした
ボフッ!!
花美めがけて枕を投げ返した
手加減なんか、ナシだ!!
勢いよく、花美が後ろにひっくり返る
バランスを崩したまま
花美が、枕と一緒にベッドから落ちていく
グイッ!!
(腕を伸ばして引き寄せた)
花美がオレの腕の中におさまる
瞬間、そう思った
……けど、もう遅い
華奢な小さなカラダ…
やわらかくて…
甘い、花美のにおい…