一文小説集「猫」等三篇

文字数 179文字

「猫」

 電車で目の前の席に座っているおじさんが、自身の手を目を細めて撫でているので、よく見ると、その手に油性ペンで「猫」と書き込まれている。

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「瓶」

 小銭が入った瓶を握りしめたホームレスが、ピアノ教室の前にぼんやり突っ立っている。

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「歌」

 その女は毎週金曜日の夜にうちのカラオケ屋に来て、地球人が作った歌ばかり歌って帰る。
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