一文小説集「靴紐」等三篇

文字数 181文字

「靴紐」

 道端の雪だるまの腹に、へその緒に見立てた靴紐がささっていて、冬風に時々揺れている。

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「お母さん」

 お母さんは今、産婦人科に入院しているので、今夜も僕一人で、夜空に月を運んだ。

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「冗談」

 天気予報によると、明日は指が降るそうだが、左手の薬指が多い見込みなので、プロポーズにぴったりな日だと気象予報士が冗談を言っている。
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