一文小説集「涙用」等三篇

文字数 165文字

「涙用」

 夜道に、油性ペンで「涙用」と書き込まれた手ぬぐいが落ちていて、拾うと湿っていた。

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「禁止」

 最近、恋人が、デートの際、「別れ話禁止」の貼り紙がある喫茶店にばかり誘ってくる。

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「晴れる」

 天気は関係ないのよ、と息子に言ったが、息子は私の手術の日が晴れるよう、てるてる坊主を作ってくれた。
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