第19話 空き家

文字数 341文字

 娘の家のお隣さん、10年前はひとり暮らしの女性が住んでいた。自転車でよく出かけていた。高齢だ。着物を着ていた。
 
 そのうち、草木は伸び放題、電線を超えた。外にまで物が出してあり、ゴミ屋敷状態。

 娘は見たそうだ。

 バケツの液体を外に撒いたらハエがウワーッと。

 窓から娘の家の方にバナナの皮を放り投げる。境目の狭い敷地にはゴミがたくさん。

 時々、娘さんが来て片付けているようだった。

 そのうち、ヘルパーさんが出入りしていた。

 そして今、誰も住んでいないようだ。荷物はそのまま。外には古い自転車や、ガラクタが置きっぱなし。
 伸びた葉が視界を塞ぐ。 

 娘は危ないからと区役所に電話した。しかし、1週間過ぎても変化なし。

 
 隣、空いてますよ。
 なんとかして!


【お題】 となり、空いてますか?
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