第17話 いろいろな雨

文字数 789文字

【お題】 秋時雨


 秋時雨という言葉に馴染みがなかった。
 時雨といえば思い浮かぶのは、カップに入った氷菓『しぐれ』
 あと、時雨煮。牛肉とごぼうの時雨煮。好物だった。

 読んだのは『蝉しぐれ』
 読んだけど、タイトルの意味はわかっていなかった。

 調べたら雨の種類はたくさんある。
 啓蟄の雨。
 虎が雨(曾我兄弟が討たれた旧暦五月二十八日に降る雨)
 小糠雨、台風、スコール等々。

 時雨もたくさんある。
 春時雨、青時雨、霧時雨、朝時雨、磯時雨、山茶花時雨等々。


 最近はゲリラ豪雨に線状降水帯。
 地球温暖化による異常な雨。人類のせい。自業自得。

 でもいちばん降ってほしくない雨は……
 
 はげしい雨。

 
✳︎


『はげしい雨がふる A Hard Rain's a-Gonna Fall』は、ボブ・ディランが作詞・作曲・演奏・歌唱した楽曲。

 反戦フォークの旗手、偉大な芸術家、今世紀最高の詩人……
 ノーベル文学賞を受賞したボブ・ディラン。

 これまで、その謎めいた比喩や歌詞は、正確な意味をめぐって研究者の間でも解釈が分かれ、議論を呼び続けてきた。

『はげしい雨が降る』は後年のディランの作品に通じるような象徴的なイメージに満ちたもので多様な解釈ができるが、「はげしい雨」が核ミサイル攻撃による「放射能の雨」という解釈については否定をした。

 
 スウェーデンのストックホルムで行われた2016年ノーベル賞授賞式、ディラン本人は欠席したがパティ・スミスが『はげしい雨が降る』をパフォーマンス。

 
 感極まったあまり途中で歌い直す場面もあったが、
「ごめんなさい。緊張してしまって、歌い直すわ」
と語ると、会場中から温かい拍手が巻き起こり、最後まで感動的にエモーショナルに歌いあげた。
 ステージ上のスウェーデン国王やノーベル賞各受賞者、そして会場中から大きな温かい拍手が鳴り止まず、観客の中には涙するものもいた。
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