第12話 体温調節機能

文字数 470文字

 暑い。 
 施設で朝働いている。配膳、洗い物、そしてシーツ交換。人手がないからなるべくたくさんやろうとは思うのだが。

 暑い。
 入居者さんが食事で部屋にいないときににやるのだが、エアコンが切れている。
 なぜ切れている? またつけるのなら切らない方が電気代はかからないはず。電気代高騰で、ボーナスが下がるかも……なんてお知らせもあった。
 だから、シーツ交換のためにエアコンをつけるわけにはいかない。
 汗だくになる。
 運動だと思い働く。

 電灯もつけっぱなしの部屋と消してある部屋がある。これは、どちらが正解なのだろう?
 
 入居者は寒がりだ。
 リビングでは長袖、カーディガンを羽織り膝掛けを。百歳のカリンさんは頭からショールを被り、毛糸のベスト。
 それでも寒い寒い、と言う。

 入居者さんにリモコンを持たせると、エアコンを切ってしまうので危険。
 ある男性の部屋に入ったら何か変。エアコンはついているのに涼しくない。
 壊れた? かと思ったら、暖房になっていた。寒いので切り替えたらしい。設定温度は23度。

 注意すれば、寒いんです、と。


『壊れたエアコン』

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