第39話

文字数 660文字

「あ、続きがありますね」

 音星が次を急いだ。

「ああ……うん? 丸坊主?」
「あ! 最初から丸が抜けているんじゃないでしょうか? この文章? 丸坊主なのに、坊主と書かれていますね」

 …………

 うーん。
 丸坊主? って、ことは弥生の言った通りに非合法組織の幹部のようだな。
 
 これは……。
 多分……。

 弥生は冤罪の可能性大大大だ!!

 やったぜーーー!!
 
 あ、でも、弥生は交通事故という形で、人を確実に殺害しているんだった?!

 う?!

 うーん……。

 うん!

 非合法組織の幹部だけど、やっぱり罪は罪だよなあ……。

 仕方ないよなあ……。

 あ、そうだ!!

 でも、俺は弥生を絶対助けるって決めたんだ!!

 そうとわかれば早速、弥生を探して合流するぞう!

 でも、どうやって地獄から弥生を助けるんだ?

 いや、助けられるんだ?

 うん。地獄からの脱出法に解脱や転生があったっけ?

 あ、そうか。

 方法はまだあるっていうことか?!
 
 諦めたらそこで方法がもったいないや。

「火端さん? あの。真面目に考え事をしている時になんですが、あそこに、弥生さんがいましたよ。ほら、あそこの坂道のところです」
「うん? ああ。そりゃ良かったぜ」

 弥生は殺風景な坂道のちょうど真ん中にいた。
 大勢の朧気な姿の死者と一緒だから、今まで気がつかなかったのだろうか?

 いや、待て。

 閻魔大王と弥生は何やら話をしていた。けれども、さすがにここからじゃ、何も聞けないや。

「あ! 弥生さんが門をくぐりましたね」

 音星の言う通りに、弥生は閻魔大王との話を終えると門を通って行った。
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