第一章 想い多きこの世界で 九

文字数 7,470文字

 「最期に挨拶にきた」香は腕を組み縁側に座っている千鶴子に微笑んだ。「今生の別れというやつだ」
「—————待っていました」
香は急須で湯呑み茶碗にお茶を入れる千鶴子を見る。軽く息を出し瞳を横に伏せる。
「迷惑をかけた」
「とんでもございません。私の方こそかけてしまいました。娘や人久と違い何も感じられないため失礼が多々あったと存じております。そのせいで初めはあなた様をただの青年と思っていました」
「そんなことはない」香は隣に座る。「失礼があったとすれば人久だけだ」
と朗らかに言った。香は片足を組み手を後ろに回して上体を少し後ろに倒す。目の前には人久の代わりに丹精こめて世話をした庭がある。晩夏だと言うのに今だに太陽は燦々と光っており暑い。だが、それももう数えられるだけの日を過ごせば葉の色が淡黄色となり池庭の水には蛙が飛び込まなくなる。吹く風は木枯らしとなり過ぎた夏を偲ばせるだろう。全てが早いものだった。人久に出会い。自分を知り。この日を千秋の思いで待ち焦がれた。人久をなくし力を失った私がここに至ることができたのは奇跡だ。だが、それを手繰り寄せるために朔には申し訳ないことをした。私たちの望みのせいで彼に消えることない傷を新たに与えてしまった。
「粗茶ですが」
手渡された茶を私は感慨深く見てしまう。日照りに照らされたそれは緑黄色でありながら底が透けて見えるほどに透明だ。初めて千鶴子に渡されたお茶と全く同じだ。視力をなくしてからの生活を余儀なくされてからも彼女自身は全く変わらない。
「–––––暑いな」
放射状に降り注ぐ炎陽が葉先を生成色にする。あるがままに枝を伸ばし陽を仰ぐ木はか細い影を池庭に落としどこか淋しげだ。池庭にある苔は水の中にまで届く光の柱を嬉しそうに黙ってみている。太陽に焼き尽くされた茶渋色の葉は影に隠れている。足を空に上げ倒れている蝉には蟻の群れが集まっている。人久が想う全てがここに詰まっている。私はひどく喉が渇いていた。夏の日差しにやられたからではない。故に茶を口に近づけたが私は飲まなかった。そして、乾燥した喉に唾液を静かに落とす。
「–––––––私を恨んでいるか」
「……………………」
千鶴子は正座を崩す素振りをみせてよろしいでしょうかと訊いてきた。私は気にすることはないと二つ返事で答える。ありがとうございますと言うと庭に足を出し座った。宵の闇よりも混じり気がない純然な黒髪が絹のような光沢を放つ。彼女の凛然とした性格を表す歪みのない姿体は洗練された意志の強さを感じさせる。風が吹けば倒れそうなほどのかぼそい体でありながらそう思わせる。
「あなた様を恨むのはお門違いだと存じております」
「私がいなければ人久はまだ生きていた」
「それはきっと過程が違うだけで結果は変わりませんでした」
「だが–––––––」
「私がここに来た時からきっと、決まっていました」
「それは違う」
私は無意識に茶碗を握りしめる。中の茶に薄い波紋が広がる。
「自身が人を想う想いと人に想われる想いはうまく噛み合わないものです。お互いに大切に思っているのに合わないなんてなんとも可笑しな話ですが」千鶴子はそう言い麗かに微笑んだ。「私はあの人と晶といれば欲しいものなんてなかったです。それ以上のものなんて必要ではありませんでした。人より短い人生でも私は身に余る幸福を享受し生きることができました。なのにあの人ときたらそれじゃダメだと言い始めたんです。そう言って薬のおかげで予定より長く生きた私の人生をさらに伸ばし挙げ句の果てには一時でも視力を戻したのですから」
「だが、人久はそれだけ千鶴子を大切にしていた」
「わかっています。私も同じくらいに彼を大切に思っていました。だから、私はひたすらに懇願しました。私のためにもう何もしないでくれと。だけど、あの人も同じくらいに私を想っていた。だからうまくいきませんでした」
影のある控えめな笑顔が浮かぶ。
「すまない。私にもっと力があれば…………」
「何をおっしゃるのですか。あなたは主人の無茶な願いを叶え。何より、この庭を守ってくれた」千鶴子は立ち上がり裸足で庭を歩く。とても嬉しそうに。尊ぶように。恋しいものと出会うかのように。「この庭は人久の夢です。人久が求めた世界の形で。娘に託したかった想いが秘められたかけがえのない遺産です」
池庭の水光が果てしなく広がる群青を光昭とうつしだす。そこで立ちどまった千鶴子は私の方を見やると微笑んだ。煙のような曖昧な白銀の粉が池庭に滞留し始めている。目を凝らさなければよく見えないものだったが庭の生きるものたちがさざめている。それだけでそれが何かわかった。
「香‼︎」
横を向くと回廊の影から縁側に出た必死に歩く青年がいた。今にも倒れそうな足取りだが私が見ていたあの少年はいつの間にか地に足をつけ顔を前に向けている。私の瞳を見据える毅然とした顔には勇ましい瞳がよく似合っている。だから、私はその瞳に差し込む陽光が彼を萱草色に染めあげるのが心苦しく思う。決意をした瞳からは確かに遠いかもしれない。それにまた多くの難題に向き合い。その度に大きな傷を負うことになる。
「彼女はお前に感謝していた。同様に私も感謝している」
「––––––––––––––––––––お前は一体どうするつもりなんだ」
「––––––––私は願いであり希望だ。彼らの願いを希望にするために生まれてきた。そして、同時に人の想いから生まれた祈りでもある」
朔は口を大きく開き声を出そうとする。しかし彼の弱っている足がついに崩れ手を前に出すことすらできずに胴体から床に音を立て倒れる。朔の大きく乱れた息がとてもはっきり聞こえる。頭を大きく揺らし肩がひくついている。だが、震える手を立て顔を上げ定まらない瞳孔で私を見る。私と彼の距離はたかが三歩だ。だが彼の体はとうに使い果たされている。立てた腕の肘が曲がり彼の胴体が地に伏せる。全身の神経が不調をきたしているせいだろう。痙攣したかのように全身が常に震えている。とうに動ける体ではない。しかし辛酸を嘗めた記憶や想いが彼をここまで足を運ばせた。腕を動かし地に伏した体を引きずり私に近づく。朔とは記憶を共有した。だから、私は彼がそこまで犠牲になるものに必死に食らいつこうとしている理由が自らの痛みのようにわかる。失うことを慣れない高貴な心を持つ優しき人間だ。だが、きっとお前は気づかないだろう。その想いがその願いがその感情が最期の決意をしたものたちにどれだけの幸福を与え同時にどれだけの気持ちの葛藤を与えるか。目を背けていた彼女らと共にいたいという気持ちが溢れ出す。彼らの中に帰ることが嫌なわけじゃない。この日を本当に夢に見ていた。なのに、私にある僅かな心の残りが朔の救いの手を掴みそうになる。私は自ずと伸びていた手に気づく。そして、同時に自身の手の先が半透明であることに気づいた。
 –––––––––あとは私に任せればいい。大丈夫だ。君の中にある祈りは届いた。
懐かしい声が私の耳元で囁いた。だが、私は光と同化する指先を折り曲げ硬い拳を作る。夏の日差しに馴染んでいく体は次第に淡黄色の煙となる。
「私の物語を彼らに訊かせたい。世界は想いとは多くの願いを詰めた箱だと話したい」
私と朔の目が合わさる。庭からの光を浴びた彼の半面と影に隠れた半面が一言では括れない様々な想いを彷彿させる。私の瞳から寸分も逸らさずに遅いが確実に私に近づいていく。私がどう言い繕うとも彼は決してその動きを止める事はない。私と会って数日しかたたないというのになんという男だ。高慢でありながら情深い。私は微笑んだ。心の底から。本当に嬉しかった。この世界にいたことを最期まで祝福されていたと思える。まだ、この世界で生きていたいと思える。こんないい最期が送れるなんて思いもしなかった。
「私は幸福者だ」
朔が手を伸ばし私の手をふれようとした時だ。私の手は木漏れ日のような光となり露となった。朔は憮然とした顔で私を仰ぎ見る。
「あんたは死ぬことを望んでいない」
「当然だ。それに私は死ぬわけじゃない。彼らの想いが晴れるまで共に長い夢を見るだけだ」私は立ち上がりあの空に還るたゆたう煙に手を伸ばす。「これは責務じゃない。私が私であるから選んだことだ」彼は力強く微細に首を振る。「いつか。再び私は帰ってくる。だから、その時に訊かせてくれ」
「–––––––––––––」
「お前の冒険を。お前の信念を。お前の悲哀を。そして、––––––––お前が選んだ選択を」
私の伸ばした手が腕が肩が光となる。千鶴子をみやると瞼がほのかに赤くなっている。私が情けないせいで二度も同じに気持ちにさせてしまった。心残りしかない。
 私は空を見上げる。中天の空だと言えばいいのか。人久は首を横に振り私を拒むが人見知りな彼に語り役なんて不可能だ。炎陽が瞳を焦がさない涼夏に天空を仰ぐ。別離の時にふと見上げる空はどうしてこう美しいものだろうか。

  あぁ、なんと口惜しいか。



 光が霧散する。朔に嘆く力はもはやない。涙すらも彼の内側には残っていない。彼はまた何も言えなかった。また救えなかった。視界が暗転していく。もう二度と見ることができない幻の庭を見ながら彼は意識を失う。僅かな曙光がまつ毛にかかり瞼に浸透していく。
「朔さん!」廊下の影から猛烈な勢いでひのかが走ってくる。救急箱を床に置き刀を掌に乗せる。「玄関でじっとしてって言ったのに!」朔を仰向けにし血だらけの服を破り心臓に手を当てる。瞼を閉じて自身の感覚を朔の体内部に水を注ぎ込むように浸透させると千々となった神経が視覚的にわかる。信じられない。こんな体で動けるなんて。それに–––––––––––。瞼を開け刀を見る。この刀は一体なんなの。顔色が悪くなっていくひのかの顔から汗が垂れる。
朔の治療を終え気力を使い果たしたひのかは壁にもたれて苦しそうに辛うじて息を吸う。朔の血が染み付いた衣服は血の臭いがする。ひのかたちの部屋の縁側から裸足で晶が池の前にいる母親の元に駆けていく姿が見える。顔はよくわからない。疲弊しきったひのかの瞳には遠景を呆然と眺めているような感覚だ。稲穂のような暖かい黄色が庭を満たしている。淡い煙。––––––––––––––––と言えばいいだろうか。擦り潰した貝殻を散りばめたもののようにも見える。それが波光に当てられ光彩陸離とした景色が広がっている。晶はそれを掴もうとしたが寸前で自ら手をとめた。そして、顔を一瞬だけ下げようとしたがすぐに見上げる。間もなく輝く雲は無くなった。ひのかが瞳を閉じる間際に一粒の雫が池庭に落ちたのが見えた。どの言葉でも言い尽くせない美しさがあった。きっとこの庭の光景は自分の人生に於いてのどの絶景に並ぶことはそうそうないだろう。だが、それを分かっていながらもそれでもひのかは愁嘆場だと思う気持ちの方が強かった。息を忘れるくらいに疼く胸底がただ彼女を悲痛にさせた。











 朔が醒めると視界に入ったのは寝室の天井だった。寸前まで寝ていたのに頭が覚めている。寝ていた感覚がないと言っても差し支えないほどに。体は重力に縛られているかのように重怠く動かす気になれない。しかし体の内側は何かがすり抜けたように妙に軽い。しかし体が痛い。傷が深く根を張るように体を覆い尽くしている。向き合うことから逃げても向き合っても俺はまた同じ輪廻の中にいる。こんな朝を迎えるたびにこの世界から逃げたいと思った。死にたいとも思った。伽藍になり生きたいと思った。双眸に溜まっていく温もりがまつ毛を濡らす。障子から溢れる陽光が寝室をそこはかとなく明るくさせる。かなとこ雲の輪郭が足元に映し出される。狭い和室は煌びやかではない。美しいと感じさせるものもない。だが、愛憎が混じった感情が胸をほだす。
 静かに彼は泣く。長い夢を見るかのように瞳を呆然とさせ。障子を開けた先には願いが詰められた箱庭がある。美しいだけでは語れない世界をありのままにうつしている。かつて世界の一部だけを見て世界を無垢に信じていた少年は世界の一部を見て失望した。だから、世界を狭め自身が納得する事実しか認識しないようにした。その後、過去と離別しもう世界に見惚れないように生きると誓った。–––––––––––そう誓ったはずだった。閉じた過去が溢れ出す。矛盾が蝕む世界で彼はどう生きるのだろうか。









 障子を開け縁側に出る。苔の湿った匂いが鼻をくすぐる。池の石組には親子で日向ぼっこをするカエルがいる。夏影ではリスが耳を掻き退屈そうに欠伸をしている。風が吹き涼気を感じれば葉と葉が重なり合う音が聞こえ遠くからりんりんと風鈴の音が聞こえる。
「あれ?さくか」朔は顔だけ向ける。「やっぱり、和服なんて珍しい」
「–––––––予定より長く滞在したせいで着られる服がなくなったんだ」
朔は男の顔を思わずよく観察してしまう。親しみを持ちやすい雰囲気でありながらどこか薄寒い姿まで彼の記憶から見たあの男ととても似ている。
「そんな熱視線を送られたら照れるじゃないか」
「不天に似ているな」
「おじさんに?」仏壇がある部屋の障子を閉めて朔に近づく。「唐突だな」障子一枚分ほどの距離で止まる。
「ここに来たのは事後処理のためか」
「うんまぁ、半分正解かな」男は無精に頭を掻き庭を眺める。「池庭に今回の報酬がある。それが俺にしか取り出せないんだ」男は裸足のまま縁側から庭に足を踏み入れる。そして、朔に振り返らずに手招きする。「あ…………」朔が続いて片足を庭に踏み入れた時振り返った。「歩けるか」
袖口から見える両腕の包帯を見ている。朔は左腕を下ろし左の腰に帯刀している刀の柄に手を乗せる。
「こいつが傷の具合をよくしてくれている。だから、大丈夫だ」
男は驚いた。思わず息を止め疑うように瞳を動かして朔の顔を委細に見る。男はかつての戦いで朔とともに時間を過ごしたことが何度かある。会う度に見る彼の顔は情をなくしていき口数も次第に減っていた。中でも印象的だったのは刀を見る時だった。まるで不倶戴天の敵を見るように激しくも軽蔑する冷めた瞳をしていた。
「もう、真面目に生きるのはやめたのか」
男は顎を少し上げからかうように微笑んだ。
「どういうことだ」
「全てのことに向き合うことをやめたのか」
「向き合ったことは一度もない」
朔が男の場所に着くと二人は並んで歩く。普通に歩けばすぐに池庭に着いてしまうが男が小幅で歩くものだから少しだけ道が長くなる。
「だが、ずっと煩悶としていたのだろう」
「それは俺が揺るぎない信念を持ってないせいだ」
「俺はあの戦いでお前ほどの葛藤はなかった。揺るぎない信念とかいうやつを持っていたからじゃない」
「信念がないのに苛烈を極めた戦場に居続けられるはずがないだろう」
朔が至極真面目な顔をして当然のことのようにそれを言うと男は大仰に笑った。蛙は声に驚き池庭の中にスッと逃げていった。朗らかに吹いていた風はいつのまにか乾いた心地悪いものになっていた。だから、木は嬉しそうに少しも揺れていない。揺らす原理があるから揺れているだけだと言わんとばかりに非愛に揺れている。池庭に着いた朔は水面に映る笑う男を不快そうに見る。気づいた男はすまないと言うと笑うのを止めた。
「信念を無くした行動は信念がある行為より遥かに楽だ。何をやってもそれが合理的だから仕方ないと割り切れるからだ」
「わからないな。割り切ったとしても自分がやったことに変わらないじゃないか」
「自分ではない誰かがやった気になれる。責任は自分だけにないと感じられる」
男はしゃがみ左腕の袖をまくる。そして左手を広げ指を等間隔に離し池庭の水面に触れる間際で止める。瞳を閉じ息を鼻から伸ばした。手の真下にある水面からソナーのような環状のさざめきが石組にぶつかるまで広がっていく。男は瞳を開けると人差し指の第一関節を水面の上に立てた。周りの指も遅れて立てさせるが同じく水面の内側には入れていない。
「ここか」
人差し指が触れる水面から亀裂が走り自分達の足元で止まる。男の腕から血管が浮かび上がり左側の首からも血管の筋が出る。二人の衣服がヒビから勢いよく流れる風に煽られ音を立てる。男が身を乗り出して強引に手を水面の中に入れ込む。すると、錫が共振するような甲高い音が響いた。それは外に漏れ出ることなく敷地内を何度も往復している。男が腕を引っ張りあげると足元にあったひびが四方に散らばり空にまで亀裂がはしる。暫時も立たずにガラスが破砕して割れるように透明な何かが上空で粉々となった。微細な光の集合体がチラチラと眩く輝いている。
「結界を壊したのか」
「昔、ここに神が入らないように施された結界だ」
「山の主との契約を反故にしたためか」
「いや、それよりも以前からだ。だから俺の家が所有するどのくらいかの前に施されたものになる」
「なら八の雷神の襲撃に備えてか」
「それがはられた結界の耐性は不浄の力より浄化の力に傾注している」
上空を見ていた朔の顔が男の右手にある濡れた木箱に移る。
「どういうことだ」
男は立ち上がり朔に振り向く。そして、木箱を差し出す。朔が木箱の下に手を重ねる。
「前線に復帰した–––––––でいいよな。お前は今度も俺たちの陣営につくのか」
「何も決めてない。それに四柱の雷神と戦うような緊急事態はもう起こらないだろう。だから、俺や塔子のようなどの家柄にも属さないはぐれの奴らが組織だった行動を求められることもないはずだ」
「もし、その時が来たら手を貸してくれるか」
男は厚みのある声で言った。
「–––––––––俺はただみんなが最期まで信じた世界を知りたい。答えにはならないが今はそうだとしか言えない」
男は濡れた木箱を朔の手元に落とす。そして、せせら笑いをしながら背を向けた。
「俺は家督を継いでから見ないようにすることが大人だと知ったよ。お前に起きた出来事やお前と年齢が近いから親近感もあるんだ。大人になったらまた会おう」
朔は瞳を伏して茶黒い木箱を見る。相変わらず依頼の難しさの割にはガラクタのようなものを貰う。塔子のせいでそんなことを何度も繰り返してきた。
 また歩き始めた道は同じ轍を踏むかもしれない。だが、託された想いを罪や呪いとしてではなく何かに変わる日がいつか来るかもしれない。
 視線を感じ振り返ると仏壇がある和室の前で千鶴子さんが俺を見ていた。
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