第2話 20歳で生まれ変わる

文字数 750文字

あれは何月のことだったっけ。
確か冬だったことだけは覚えている。
ひょんなきっかけで、高校時代の友達がゲイだということを知った。
彼とは3年生の時に同じクラスになって、そこで仲良くなった。
それまでは存在は知っていたが話したことはなくて、
酷い話、勝手な偏見で私は彼とはきっと合わないと思っていた。

だけど、別々の大学に進むも卒業してからも結構遊んだりしていた。
本当はその時点で気付くべきだったのだろうが、彼には彼女が居た時期もあったりして、
所謂バイってやつだった。

その時代に私はどこにも吐き出せない感情をブログに吐露していた。
はっきり言ってダークサイドの私が書いた、SOSのようなブログだった。
それとは別のアカウントで表向きの日常を綴るブログもやっていて、彼もそんなようなアカウントがあり、そっちは共有していて互いに閲覧していた。

しかし、ある時私はダークサイドのアカウントでログインしたまま、彼の表向きのブログにコメントをしてしまったのだ。数時間後、彼から「誰ですか?」とコメントが返ってきた。

きっと彼はダークサイドの私の文章に読んだに違いないと確信をし、
そこで彼に全てを打ち明けることにした。
そうしたら、「実は俺も…」なんて言い出すから、
「?!?!?!」となった、あの時の感情は今でも覚えている。
驚きと妙な安心感。あの時、私は本当に私になれたのだと感じた。

彼は私より先を行っていて、
彼には当時彼氏が居たし、同じゲイの人と出会う手段なども知っていて、
私は彼から教えてもらった方法でゲイの人と出会い始めることになった。
あの日から殻を破って、新しい自分が生まれたんだと思う。

彼とは今でも仲良しで、いつも感謝をしている。
あくまでも友人。それ以上には見れないから恋人にはなったことはない。
だからこそ今があるんだと思う。
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