第44話

文字数 416文字

「私が殺しました。トイレに流しました。あれは赤ちゃんでした。」
『……………………血の塊だよ。赤ちゃんじゃないよ。いついなくなったかは分からないからね。あなたが殺したとかではなくね、早期の流産はほとんどが赤ちゃんに原因があるから。あなた出血もよくしていたし、赤ちゃんがお腹にとどまる力がなかったのね』看護師さんがそんなようなことを言ってくれていたが、私の頭の中には後悔の言葉しかなかった。

安静にしていれば
入院していれば
お腹痛いの我慢しなければ
買い物に行かなければ
無理して動かなければ
ドッグランの後出血したときに病院に行っていれば
出血なんかする体じゃなかったら
もっと赤ちゃんがいやすい環境のお腹だったら
あのときこうしていれば
あのときこうしなかったから
もっとこうできたのに
もっとやれることはあったのに
もっと頑張れたのに
どうして頑張らなかったの私
私のせいで
出血なんかして、苦しめた
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい

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