第20話

文字数 669文字

「まあ……そんな訳で今日ここに来るのもほんまに大変やった」
『別れたらって感じやけどな。あんた犬おるしもう一緒には住まれへんわ』
「そうやねん。別れるとして、あのお家は彼のお父さんが借りてるから私が出なあかん。半くんはぜっっっっったい連れていきたいし」
『なんか夜の仕事とかしたら?時給いいやん』
「あー…そうやなぁ…。けどあかんって言われそう。」
『家賃は?向こうの親が払ってんの?』
「そう。で、彼は学生やから私より収入低いしな。光熱費はお互い1万5千円ずつ出すって感じにしてる。私が多く払ってるとしたら食費とか日用品やな。」
『それで貯めれんの?電化製品も何も持っていかれへんねやろ?相当お金ためなあかんで』
「それか、一回大阪帰るか…って感じ…でもまあ…優しいところもいっぱいあるからなぁ」
『依存してるやん。そんな気持ちやったら別れられへんで。ずっと言いなりやん』
「まあ…向こうほんまに賢いからなぁ。口で勝たれへんし、力も勝たれへんしな」
『頭の良さと人間性はまた別やろ』
「まあ…でも、バカなんだから考えるなって言われたら事実ではある。買い物とか言ってもすぐ計算できひんし…レンタル屋さんでDVD借りてきてそれ見るのが今の楽しみやねん。何も考えなくていいし、出かけるわけちゃうから怒られへんしな」
『君がいいならいいけど、私は好きにはなられへんな。その男』
「私が愚痴ばっかり言ってるからやろ。いいとこ言ってないからイメージ悪いかもやけど、優しいで。」
『はいはい。とりあえず、引っ越しにどれくらいかかって、どれくらいで貯めれるかは調べときや』
「うん。」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み