うらはら  Heidi

文字数 1,327文字

うらはら』(Heidi
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本編


契約


 暴力団の構成員中葉が、ひょんなことからオレオレ詐欺をしていた春樹を取っ捕まえるところから始まる物語。

 どちらかというと春樹視点であることが多いこの物語は、オレオレ詐欺をしてでも父親の借金を返そうとする春樹の健気さに庇護欲(その裏返しで若干虐めたくもなる……)がそそられると思いました。きっと中葉は泣き虫すぎる春樹のことを捨て犬か何かを拾ったくらいの感覚で最初はいたのではないかと思ったりもしています。

 それにしても、息子に対して父親があまりにも冷淡すぎて最初は驚いていたのですが、途中で理由がわかってそれはそれで「なんてこと!」な気分です。父だけでなく中葉も真希もその他ここで出会った人間みんな、背負うもの背負って「現在」に立っているんだということを春樹が気付く工程がとても良かったです。

 なんといっても、中葉がカッコイイ!

 やくざな生き方しているくせに人情に溢れているなんて、詐欺です!(笑) でも、そんなんだからすっかり春樹が懐いてしまったんだなとも思うので、それはそれでニヤニヤしてしまいます。(あれ、やっぱり春樹は犬なのか?w)


 これは、軽くミステリーに仕立てられたヒューマンな物語でした。父親が「生」に携わるなら自分は「死」という、対比も憎い演出だと思います。欲を言ってしまうと、S大のDVDに中葉が気付くところはストーリーが「点」から「点」に飛んだ気がしなくもなく、もう少し丁寧な「線」の記述があると読者的には嬉しいかもしれません。

 ラストで春樹が「めっちゃ好っきゃ」と言った瞬間にこちらの顔がはにゃんと崩れてしまいました。可愛い~!


契約:after story


 死を見て感傷的になってしまった春樹に向かって「俺は生まれてから一回も死んだことがないんじゃ」って言う中葉に笑いました。

 なんだかんだと一度も直球を投げてない中葉の「言わなくても分かれよ」が滲んでいるみたいで、顔がにやけてしまいます。



番外編


闇に溶ける薄紅


 春樹、ご飯も炊けなかったんかい! と、そこにツッコミを入れつつ、「俺の胃袋も回収せなあかんでぇ」にふふふ♪

 濡れシーンないと少女漫画みたいになるんですね♪


馬上の猫


 2レース目!



 そうか、アメリカに行っちゃうんですね。

 でも離れていても大丈夫、のような絆を感じさせてくれる終わりがステキです。


両極ノ箱


 なんて夢を見ているんだっ!

 しかも欲求不満で片付けられて……(にやにや)


泪の波紋


 もう、びっくりですよ!

 春樹は泣かされてばかりで毎度可哀想です。

 ラストは元通りでよかったです!!(右腕痺れて元通り♪)


甘い舌


 父親との関係がだいぶ良くなってきたってのが見れて良かった。

 ……でも、中葉のところにすぐ行ってしまう(笑)

 プリンの出来を「よう生きて戻れたの」という褒め方が中葉らしくてニヤニヤしてしまいます。


夜に香る雪


 ニオイでバレる浮気!!


(終わりに)

 本編は2人がくっつくまででストーリー性が面白かったですが、番外編はくっついて以降のイチャイチャがメインでそれはそれで面白かったです。

 もう少し続けて欲しい!(笑)

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