第40話 半狂乱
文字数 1,303文字
「天十郎」重たく怒ったような口調で夏梅はまっすぐに
「目薬を差し終わって満足したでしょ。いつまでパンツをはかずに裸のままで、おっぱい掴んで私を抱きしめているの?」
「えっ?」
【天十郎はひどく驚いて下を見た】
僕も驚いた。こいつは気が付いていなかったのか?天十郎は反目しながらも、蒲みたいに夏梅を拒絶しているようではなさそうだ。
「お前、なんでブラジャーをしてないのだ」
「知るか!関係ないでしょ。私の自由だ」
「ブラジャーくらいしておけよ。胸元のぽっチはダメだ」夏梅は馬鹿にしたように笑い。怪訝そうな顔して
「?乳頭?の事?」
「乳頭って言うな」
「乳頭は乳頭でしょ。他になんて言うのよ」
「それは刺激的だ」
「天十郎だって筋肉盛り上がって、乳頭がポチってなっている」夏梅はニヤリと笑い。天十郎の乳頭を指先でつまんだ。
「夏梅、やめろ!」過激になってきそうな二人を気にして、後から追いかけてきた蒲が口をはさんだ。蒲の叫びに近い声を無視して、天十郎が夏梅を抱いた腕に力を込めているようだ。
「いや、俺と蒲はいいけど。お前、子供が出来たら困るだろ」
「はあ?いや出来ないだろ」
「俺だって雄の本能あるからな、好きじゃなくても生殖本能で出来るからな」天十郎が夏梅にからだをすり寄せた。
「天十郎なんか裸のくせして、パンツとブラジャーと、どっちが無礼よ」
「裸は慣れの問題だろ!お前が慣れればいい!」
「そうか、慣れたらいいのよね。じゃあ、君たちみたいに裸で歩くかな」
【夏梅が天十郎を突き飛ばし、興奮気味に服を脱ぎ始めた】
「二人とも、やめろ!そんなに仲良く喧嘩されると、生殖本能だとわかっている俺だって我慢が出来ない!」蒲が突然に叫んだ。天十郎は蒲を見た。蒲はかなり怒っている。
「夏梅、いい加減にしろよ、天十郎の雄を刺激するな、やっちゃうぞ」
「蒲、むかつく!やれるものならやって見なよ。天十郎を刺激されたくなかったら、君たちもっと謙虚に暮らしなさいよ」
「俺は夏梅の刺激にはほとんど反応しないけど、天十郎は違うのだから少しは配慮しろ」
「配慮って何をどうすればいいの?蒲は私にどうして欲しいのよ!蒲、あんた達のねちっこい痴話げんかに巻き込まないで!」
夏梅は半泣き状態になった。
蒲は天十郎が夏梅に興味を抱き、幼稚園児並みにかまう事に苛立ち、嫉妬で夏梅に対して牙を剥こうとしている。夏梅は愛されもせず、雄の本能の対象として責め立てられる痛みで半狂乱だ。何も悪くない夏梅の痛みを感じた僕は、つらくなり、天十郎を見据えた。
それに気がついた蒲が下着を脱ぎかかっている夏梅に、「夏梅、ごめん、天十郎と話すから興奮をするな」と、飛び掛かって止めた。
その様子に、天十郎がいたたまれないように立ち去った。僕は冷ややかに蒲を見つめ、少し様子を見ようと考えた。なにより、夏梅が嫌がりながら、妥協が出来ているようだ。それに、声に出してあらがう事が出来る相手のようだから、大ごとにならずに済むかもしれない。
夏梅への対抗心から、弾みで一緒に住み始めた天十郎だが、ひょっとしたら何も知らない天十郎の存在が、抑止力になる可能性を秘めているのかも知れないと、思い始めていた。
「目薬を差し終わって満足したでしょ。いつまでパンツをはかずに裸のままで、おっぱい掴んで私を抱きしめているの?」
「えっ?」
【天十郎はひどく驚いて下を見た】
僕も驚いた。こいつは気が付いていなかったのか?天十郎は反目しながらも、蒲みたいに夏梅を拒絶しているようではなさそうだ。
「お前、なんでブラジャーをしてないのだ」
「知るか!関係ないでしょ。私の自由だ」
「ブラジャーくらいしておけよ。胸元のぽっチはダメだ」夏梅は馬鹿にしたように笑い。怪訝そうな顔して
「?乳頭?の事?」
「乳頭って言うな」
「乳頭は乳頭でしょ。他になんて言うのよ」
「それは刺激的だ」
「天十郎だって筋肉盛り上がって、乳頭がポチってなっている」夏梅はニヤリと笑い。天十郎の乳頭を指先でつまんだ。
「夏梅、やめろ!」過激になってきそうな二人を気にして、後から追いかけてきた蒲が口をはさんだ。蒲の叫びに近い声を無視して、天十郎が夏梅を抱いた腕に力を込めているようだ。
「いや、俺と蒲はいいけど。お前、子供が出来たら困るだろ」
「はあ?いや出来ないだろ」
「俺だって雄の本能あるからな、好きじゃなくても生殖本能で出来るからな」天十郎が夏梅にからだをすり寄せた。
「天十郎なんか裸のくせして、パンツとブラジャーと、どっちが無礼よ」
「裸は慣れの問題だろ!お前が慣れればいい!」
「そうか、慣れたらいいのよね。じゃあ、君たちみたいに裸で歩くかな」
【夏梅が天十郎を突き飛ばし、興奮気味に服を脱ぎ始めた】
「二人とも、やめろ!そんなに仲良く喧嘩されると、生殖本能だとわかっている俺だって我慢が出来ない!」蒲が突然に叫んだ。天十郎は蒲を見た。蒲はかなり怒っている。
「夏梅、いい加減にしろよ、天十郎の雄を刺激するな、やっちゃうぞ」
「蒲、むかつく!やれるものならやって見なよ。天十郎を刺激されたくなかったら、君たちもっと謙虚に暮らしなさいよ」
「俺は夏梅の刺激にはほとんど反応しないけど、天十郎は違うのだから少しは配慮しろ」
「配慮って何をどうすればいいの?蒲は私にどうして欲しいのよ!蒲、あんた達のねちっこい痴話げんかに巻き込まないで!」
夏梅は半泣き状態になった。
蒲は天十郎が夏梅に興味を抱き、幼稚園児並みにかまう事に苛立ち、嫉妬で夏梅に対して牙を剥こうとしている。夏梅は愛されもせず、雄の本能の対象として責め立てられる痛みで半狂乱だ。何も悪くない夏梅の痛みを感じた僕は、つらくなり、天十郎を見据えた。
それに気がついた蒲が下着を脱ぎかかっている夏梅に、「夏梅、ごめん、天十郎と話すから興奮をするな」と、飛び掛かって止めた。
その様子に、天十郎がいたたまれないように立ち去った。僕は冷ややかに蒲を見つめ、少し様子を見ようと考えた。なにより、夏梅が嫌がりながら、妥協が出来ているようだ。それに、声に出してあらがう事が出来る相手のようだから、大ごとにならずに済むかもしれない。
夏梅への対抗心から、弾みで一緒に住み始めた天十郎だが、ひょっとしたら何も知らない天十郎の存在が、抑止力になる可能性を秘めているのかも知れないと、思い始めていた。