第20話 探偵小説を探偵しましたのぢゃ!【4】

文字数 746文字

【4】

 その「ヘラクレス・葱」も……、あ、いや間違い!
 さしもの名探偵ポワロも、犯人のトリックに幻惑され、かなり手こずった事件が、「エンドハウスの怪事件」ぢゃ。

 この作品は初っ端から風変わり。
 何より、ポワロは事件依頼を受けておらんのぢゃよ。

 物語は、風光明媚な海辺のリゾート地で避暑と洒落込む、ポワロとヘイスティングスのお馴染み迷コンビのそぞろ歩きから始まるのぢゃ――。

 その散歩の途中二人は……、命を狙われておるのに、その事を気にも留めておらん様子の能天気な若い御婦人ニック・バックリーと偶然に出会う。
 彼女との四方山話から、名探偵の嗅覚で彼女の危機を嗅ぎ取ったポワロは、殺人計画を未然に防ぎ彼女の身を護る為、自ら志願して事件の渦中に飛び込んで行くのぢゃな。
 そのニック・バックリーが滞在しておる別荘が、エンドハウスと呼ばれる古びたお屋敷なのちゃよ。

 しかし……、ポワロとヘイスティングスの迷コンビが、エンドハウスに乗り込んで独自の捜査を始めた矢先、土地の花火大会の見物の為、親族友人が集まった屋敷の中で殺人事件が発生してしまうのぢゃから、「灰色の脳細胞・名探偵ポワロ」の面目丸つぶれになってしまう次第なのぢゃな。

 犯人の意図が分からず、犯人の目星もつかぬまま、謎の事件に翻弄されるポワロぢゃったが、次第にニックの殺人未遂が、遺産相続の遺書を巡る事件である事が浮かび上がって来るのぢゃよ。

 で、これからが儂の話の本題なのぢゃがな……。
 えっ?これまでの話は前フリかって?
 そうぢゃよ、皆の衆、儂の話は前フリが長い事は、皆の衆には周知の事実ぢゃろ?
 儂しゃ、あらすじを延々と書くつもりなんて、端から更々ないのぢゃ。
 ふぉっふぉっふぉっふぉっ
(よっ!出た!久々の気持ち悪い高笑い!)←(龍田)
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