第27話 探偵小説を探偵しましたのぢゃ!【11】

文字数 665文字

【2】

 前回はですな、

「江戸川乱歩の『心理試験』のトリックの肝である、連想ゲーム的な心理試験は、クリスティーの『マースドン荘の悲劇』を参考にした(パクった)のでは?」

 つーところで筆を置いたはずでしたがの、では果たして大正時代の当時、乱歩はクリスティーの作品を読むことができたのか?つー疑問が出てくる訳でございますのぢゃ。
 
 クリスティーの『マースドン荘の悲劇』の発表が1923年、江戸川乱歩の『心理試験』の発表が1925年と云うことでしたがの、まず11923年は大正12年で、日本では関東大震災と云う未曾有の災害が発生した年でしたわい。

 その2年後の1925年は大正14年、震災で壊滅した東京の復興も道半ばで、翌年の大正15年は大正最後の年となる、大正デモクラシーも終焉を迎えようとする時代でございましたわい。

 で、大正15年には、当時の出版社である改造社が、一冊1円均一の『円本』と称する全集物のシリーズ書籍を出版するのですな。

 この『円本』なる書籍、当時爆発的に大ヒットしたそうでしてな、改造社以外の出版社も二匹目のドジョウを狙って、続々と『円本』全集を出版社したそうですな。

 んで、改造社が出した『世界大衆文学全集』の中に、『ポー傑作集・江戸川乱歩名義訳』なる一冊があるんですな。
 ポーとは、推理小説&怪奇小説の元祖、エドガー・アラン・ポーの事でしてな、江戸川乱歩のペンネームはその元祖から頂戴した、モジリネームなのは有名なお話ですわい。

 つーとこで、今回は次回に続きますわい。
 爺はもー眠たくなってしまったのでし……。
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