2
文字数 324文字
花瓶に生けた薔薇。
あまり見かけない淡い優しい色で。
私はそれを、一目見て気に入った。
「綺麗に咲いてるね」
ほんの今さっき。
もう、綺麗ではなくなった、と、思った。
花瓶に生けたあの頃よりも。
「そう、ね。咲いてる」
そう、返すことができた。
灰色の雨雲が一気に私を包み込むのを感じる。
少しずつ積み重ねてきたものが、確信に変わる。
日々を過ごし、時を生きて、過ぎ去る景色を眺めてる。
それは当たり前のことで、それはとても完璧なことで、それ以上求めてはいけない。
けれど欲張りな私は、求めてしまう。
道は選べて、避けられたのではないか、と。
明日は今日と違う。
だから。
きっと生かされてる。
昨日、ばらばらになれればよかったのに。
そうすれば、こんな気持ちになることはなかったのに。
あまり見かけない淡い優しい色で。
私はそれを、一目見て気に入った。
「綺麗に咲いてるね」
ほんの今さっき。
もう、綺麗ではなくなった、と、思った。
花瓶に生けたあの頃よりも。
「そう、ね。咲いてる」
そう、返すことができた。
灰色の雨雲が一気に私を包み込むのを感じる。
少しずつ積み重ねてきたものが、確信に変わる。
日々を過ごし、時を生きて、過ぎ去る景色を眺めてる。
それは当たり前のことで、それはとても完璧なことで、それ以上求めてはいけない。
けれど欲張りな私は、求めてしまう。
道は選べて、避けられたのではないか、と。
明日は今日と違う。
だから。
きっと生かされてる。
昨日、ばらばらになれればよかったのに。
そうすれば、こんな気持ちになることはなかったのに。