第8話 ネットでのお付き合い

文字数 717文字

 ネットでのお付き合いを私は楽しんでいる。
 顔も知らない相手だからこそ素直に話せることもあって、それが嬉しい。
 相手が自分の近くに住んでいるとか、同じ職場だとか、そんな関係にあるひとには話がしにくい場合があるのだ。
 正直に言えば、自分の話すことに自信がないのだ。自慢じゃないが、誰にでも話せることが何もない。誰にでも話せないことなら、幾つもある。これは悲しくて残念なことだ。
 そんなわけで、ネットの友達は良い話し相手になってくれている。人間関係の悩みだけではなく、その日に楽しかったこともブログなどによく書き、それについてコメントがくると本当に嬉しい。
 人生経験豊かなひとのコメントは、やはり心に残る。同時に自分の未熟さを思ってしまう。
 かと思えば、
 「〇〇って若者言葉、教えて貰っちゃったわ。今度、私も使ってみよ!」
 なんて、私は喜んでいる。

 いや、楽しいことばかりではない。
 ブログで「いいね」やコメントを貰ったら、私もそちらを訪問して記事を読むことにしている。
 そうして思うのは、自分とは性格や考え方が違うひとだなあと。しかし、ひとそれぞれだから、それらの違いはあまり気にしない。
 ただ、深くお付き合いしても、私は何かあれば簡単に離れていく。もちろん、相手のほうから離れていくこともあるのだ。
 そんなとき、自分勝手な私はこう思うのだ。
「でもね、それで良いのよ。そんなもんよ。寂しいけど、悲しいけど、そんなもん。現実はそれ。心から安心できる友人は、ネットでもリアルでも、滅多にいないもの。心から安心できる友人にめぐりあえたら、本当に幸せなんやわ」
 
 これを書いていて、私は自分が嫌になってきた。
 もっと開放的で良いのかもしれない。
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