花言葉ものがたり
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tukinoniwa
花言葉は「節度」「慎み」だそうですが、色や種類によって変わってくるようですよ。
今回はイラストではなく私が公園で撮影した一枚を貼っておきます。
「躑躅」
高低差のある敷地にはすり鉢状の底に池があり、高台には東屋が設えてある。
躑躅の季節に東屋に登り、庭を一望すると、それはもう圧巻だ。
ご近所さんが山菜なんぞを手土産に「庭を見せてくなんしょ」とやってきては「拝観料をとれっつぉい!」などと指南してくれるほどだ。
東屋から躑躅に囲まれた池を眺めていると、鯉に餌をくれていた娘が、私に気づいたらしい。
「パパぁ!」
笑顔で大きく手を振っている。
……君が好きだと言ったから、パパは折りに触れ、躑躅を買っては植えていった。
躑躅の花言葉が「節度」「慎み」だと知ってからは、この花が君の純潔さを守ってくれるのではないだろうかなんて、変な下心が芽生えたものだ。
それなのに。
娘は来月、嫁ぐのだという。
憧れのジューンブライドだなどと、楽しげにしている。
私の作った花の檻など、ものともせずに。
観月さん、こんばんは~
「はじめてのねがいごと」とっても快調ですね。
今日のお話も楽しくドキドキと読ませていただきました。早く次が読みたい!!!
ツツジのお話、ずーっとここに参加させていただきたいって思いながら、
なかなか纏まらなくて、今日やっと無理やりまとめたので、
掲載させてくださいな。
m0njam0n88
ツツジ(躑躅)「美月ぃ、一緒に帰ろうぜ~」裕樹が声をかけてくる。「いいよー。じゃこのカバン持ってくれる~?」ニンマリ笑って言うと、「わかった。じゃお前はこっち持ってな」剣道の防具が入った袋を突き出してくる。「おぇ~!やだよ!汗くせ~!」私は自分のカバンを取り戻す。私に声をかけてくる男子は多いんだけどね。ま、いつもこんな感じで、ヒヤカシの種にもならない。「腹へったなー」「うん」校門の脇にはツツジが満開だった。「この花ってオマエみたいだな」ツツジの花言葉は「節度」「慎み」。うん、私にピッタリ!か???「えー、どういうとこが?」「雨が降っても風が吹いても、いつも元気そうで、しょぼくれたとこなんか見ことないってとこ」「えー、アタシ人知れず小さな胸を痛めてたりしてんだよ~!」「もちょっと痩せたいとかだろ!」「バレたか!」「果てしなきその元気さが、羨ましいよ」笑って言う裕樹。ちょっと憂い顔だね。「ん?裕樹、なんか悩んでるとか?」と聞くと「ヘヘ、なーんも」とごまかす。「わかった!薫にフラれたんでしょっ!」「ちがわーい!部活でちょっとシメられただけだよっ!」強がってる。どうやら図星だったね。わかるんだよ、私にはね。「よーし、私が鍛え治してあげよう!」カバンで裕樹の尻をはたく。「あっ!なにすんだよー!」と勇気もカバンを振り回す。追いかけ合って、走り回って息が切れた。別れ際に「なんかオマエの元気がうつってきた。ありがとよ」だってさ。胸の奥がチクンと痛む。
みんなによく言われるよ。私はいつも元気そうだって。どんな時も。具合が悪くてしんどい時も、私が落ち込んで悲しい時も、誰も気付かない。気付いてくれない。
だけど……あたしだって辛かったり苦しかったり、切ない時があるんだよ。
目の前にいるヤツに分かって欲しい想い伝わらなくて伝えられなくて切ない時が。
美月ちゃん、いつかきっとそんな自分を見せることのできる素敵な彼氏ができるといいです。
青春真っ只中キュンキュンキラキラな作品に、忘れていたあの頃を思い出しました。
観月さん、
読んでいただいて、ありがとうございます。
この「花言葉ものがたり」のおかげで、久しく創作ってものを忘れていた私にも
「ユキヤナギ」「ツツジ」など書くことができました。
本格的な小説にはとても手が出ませんが、こちらで刺激をいただいたおかげです。
少しずつでも「何かを書く」って、やっぱり楽しいですね。
ありがとうございました。
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