カーネーション

文字数 2,580文字

六話目は「カーネーション」です。母の日の定番ですね。

花言葉は『無垢で深い愛』ですが色によって変わってきます。

赤は『母の愛』深紅になると『欲望』という意味が入ってきたり、白ならば『純血』黄色になると……。オレンジ・紫、それぞれの色にそれぞれの意味がありますので、お好きなカーネーションを一本、いかがでしょう?

2020/05/02 09:15
2020/05/02 09:21

tukinoniwa

「カーネーション」


 一人にしないで。

 四角い画面の中で、女が一粒の涙を流した。


 ◇


 さすが女優だわ、母さん。

 一人にしないで、なんて。

 笑っちゃうわね。私はいつも一人だった。

 私はおばあちゃんに育てられたと思ってるし、あなたには母親としての役目なんて、端から期待していなかったわ。

 だからといって、別に親子の仲が悪かったわけじゃない。

 親子で一緒に腕を組んで、おすすめのショップでお買い物をするなんていうバラエティ番組にだって、出たことあったわよね。

 私のお誕生日には必ず素敵なレストランとプレゼントが用意されていたし、私だってそう。母の日には、毎年欠かさずカーネーションを贈った。

 いろいろなカーネーションを贈ったわね。黄色にオレンジ、紫だったり、斑入りのものなんかもあったわ。


 でもね、一つだけ送ったことのない色があるの。


 赤いカーネーション。

 ――母への愛。

 

 あなたは気がついていたかしら?

 

2020/05/02 21:50

調子にのって、こちらにも書かせていただきますね。




「ではここで、新婦様からお母様へ花束の贈呈でございます」

「 これまで私を育ててくれてありがとうございました。高校のころ毎日作ってくれたお弁当の味、高熱を出したとき付きっ切りで看病してくれたこと、補導された私を警察に迎えに来て『無事でよかった』とだけ言って肩を抱いてくれたこと、忘れません。


15年間、どうしても言えなかった言葉、赤いカーネーションの花束と共に、やっと今日、伝えます」
「お母さん、あ り が と う」




2020/05/02 23:24

m0njam0n88

まさに母の日。

堀井ゆめさん、投稿ありがとうございます。

私の作品がどこかほろ苦い母の日でしたので、どなたか優しい作品を書いてくれないかなと思っておりました。15年というと、きっとお母様は……など、読者の脳内に様々な想像が広がりますね。

2020/05/03 07:42

観月さん、

早速リプライをありがとうございます。

今回の「カーネーション」は投稿しちゃってから、あまりにもベタなストーリで自分で赤面してました。(^^ゞひねりが何もないし。でも、この「花言葉」は手を出しやすくて、刺激になるので、練習させてください。とりあえず未経験者がストーリーを書いたってことで。m(__)m

2020/05/03 16:40

m0njam0n88

こんにちは!

観月さんと堀井ゆめさん、お二方のお話が素敵すぎてジーンとして、少しの間物思いにふけってしまいました。

2020/05/04 14:10
 記念日でもなんでもない日、彼が「プレゼント」と言って私に淡い黄緑色のカーネーションを持ってきてくれた。ビニールに巻かれた細身の花束だった。それには小さく可愛いメッセージカードもついていて、『癒し』『純粋な愛情』と書かれている。


「なぁに、これ?」


 私が尋ねると彼は照れたようにそっぽを向いてしまって、


「君にぴったりだと思って」


 頭を掻きながら口を尖らせた。かと思うと、何かを決心したかのようにこちらへ向き直る。


「結婚してくれないか?」


 彼のその真剣な面差しに、私も黙って頷いた。

2020/05/04 14:49

すみません、妄想が止まらず続き物の2個目のお話です(^_^;)


 1年経って今年も彼はプレゼントと言って、今度は白いカーネーションを私に持ってきた。


「ふーん、今度はなんて花言葉なの?」

「明日教えるね!」


 私が尋ねると、彼は何だかいたずらっぽい含みを持たせてそう言うと、私からプレゼントのカーネーションをヒョイと取り上げて、キッチンへ向かってしまった。なにやら黒々とした液体に花を差したようだが、私は見ないことにする。明日を楽しみに待とう。

 そして次の日、彼が青いカーネーションを持ってきて私に渡す。


「青いカーネーションは『永遠の幸福』って意味ね」


 自分で染めたんだと得意気にそう言って、私の隣にそっと座った。そして私の膨らんだお腹を優しく撫でる。今度は私がなんだか照れ臭くて、


「で、白いのはなんだったの?」


 少しだけそっぽを向いて口を開いた。彼がニンマリ笑ってこちらを見つめる。


「尊敬してます」


 私はプッと吹き出してしまった。元気な赤ちゃん生むからね~、とガッツポーズを彼に見せつける。

2020/05/04 14:56
里見三月さん、幸せのいっぱい詰まった短編の投稿ありがとうございます。

旦那様、なかなかやりますね。

「尊敬してます」ですか。私も主人公と一緒に少し笑って、そしてほっこりとした気持ちになりました。

2020/05/04 16:54
ありがとうございます。知り合いに妊婦さんがいたので、幸せな妄想が広がりました(*^^*)

ほっこりしていただけて嬉しいです!

妄想と言えば、えぶさんの妄コン。今まで何となく手を出せてなかったのですが、こちらでお話作れたら、はじめて参加できました。

観月さんのお陰です!ありがとうございます^^

ノベルデイズでする話じゃなかったかな、逸れちゃいましたがお礼したくて……失礼しました!

2020/05/04 20:29
里見さん、この作品がきっかけになったなんて、嬉しいです!

今募集中の妄コン、奇しくもお題が「花言葉」なんですよね。私もこの作品の中から「クロッカス」をエントリーしました。短すぎるかな? とも思ったのですが「三行から参加できる」と謳っているのだし、大丈夫かなと! 結果に囚われすぎずに、楽しく公募チャレンジもできるといいですよね。

2020/05/04 20:56
穂立ちづ子さん、はじめまして。

どうぞどうぞ! 自由参加のノベルです。300-500文字程度の小さなお話を集めています。

色とりどりの花束になればいいなと思います。いつでもご参加お待ちしております。

2020/05/04 21:42
穂立さん、作品の投稿ありがとうございました。切なくも優しいお話ですね。

飾り気がなくて、でも暖かくて良い匂いのする……そんな、母の手を思い起こさせてくれるお話だったと思います。

2020/05/05 07:03

観月さん、カーネーション、賑わってますね!

里見三月さんのお話、ほのぼのしてていいですね~!こういうホンノリした感覚を表現されるって素晴らしいです。

穂立さん、素敵なお話ですね。しみじみ味わわせていただきました。いいお話を読ませていただいて、ありがとうございました!ご一緒できて嬉しいです。またこちらに登場してくださいな。

2020/05/06 16:47

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