その10 冒頭の一行は神から来る。最後の一行も神から来る。途中は、人力。

文字数 911文字

タイトルのとおりです。
冒頭の一行は神から来る。最後の一行も神から来る。途中は、人力。
そう思われませんか?
まず、冒頭の一行を、思いつきます。
なんなら、プロットがまだ白紙でも、冒頭の一行が「来て」しまったりします。
これは行ける!という、あの瞬間。
最高にハッピーですよね!
プロットの完成度が高くても、本編にとりかかれないのって、
この一行が「来ない」ときですよねー……(タメイキ)
冒頭の一行が来てくれると、かなりの確率で発進できるのですが、
次は、できるだけ早く、最後の一行に来てもらわなければなりません。カモーン!
(あくまでヒツジの場合です。)
先に書いたように、ヒツジは創作を「戯曲」から始めたので、
作品に「エンドマーク(終)」があることが前提、という書きかたを身につけました。
終わりのない舞台作品って、あり得ないですからね。
たとえ、ふんわりした、終わりらしくない終わりかたでも、かならず終わりはあります。

冒頭を決めて、ラストを決めて、あとは、あいだをつなげる。
トンネルの入り口と出口を決めて、あとはひたすら掘っていく感じです。
鑿[のみ]で。←『青の洞門』!
プロットが助けになるのは、このときです。
いま、どこ掘ってるの? どこへ向かって掘ってるの? あとどれくらい掘ればいいの?
ていうかこれ、もうすぐ終わっちゃうの? ええー、なごり惜しいかも。
という、辛くて楽しい作業を照らしてくれる、ランプ。
それがプロット。ありがとうプロット。
でね、不思議なことに、半分か三分の二まで掘りすすんだときに、
たいてい、決めておいたラストと違うラストに向かっていることに気がつくんですよね。
「ええっ、そっち?!」という。

そして、たいてい、そのほうがずっといいラストになります。
だから訂正。
最後の一行は、二度、神から来る。
ただし、それまでにさんざん掘りすすんだとき限定です。
しっかり練ったプロットと、信じて頼りにしてきたラストシーンが、
がらがらと崩れて砕けて、別の出口がさっと開けるとき……
最高ですね!
ぷはー! この瞬間のために生きてるんだ、というね!
完成して貫通して、風のふきぬける坑道に残された、わが友プロットくんの残骸よ。
いつも本当にありがとう。
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登場人物紹介

ミミュラ

このチャットノベルの管理人。ときどきアマビエに変身する。
ヒツジのくせに眠るのが下手。へんな時間に起きてしまったり寝てしまったりする。
お弁当は好きなおかずから食べる派。

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