書くことが何もないが、とりあえず書いてみるとするか……

文字数 1,173文字

地方で、なにもないわけでもないが、なにかあるわけでもない。

そんな片田舎で単調な暮らしをおくっていると、わざわざエッセイに書くことなんてそうそうおこらないわけですよ。

自分に課された仕事をこなし、あとは生活に追われて時間があっという間に過ぎてゆくので。

スキマ時間に好きなことをして、あとはぼんやりしたら一日なんて、これといったこともなく過ぎてゆく……

凡人の日常など、つまらない時間の連続なのですよ。

これからつまらない日常のヒトコマを切りとって書いてみますよ。今現在、書くことがなにもないので、しょうがないのです。

近日、ガスの四年点検なるもので、ガス会社の人が点検に来るということで。

わたしはあわててガスコンロ周りの掃除を開始しました。

大方予想がつくように、わたしは掃除全般が苦手です。

さっと拭いてあとは見ないふりをしていたツケが、今山のように積み重なっております。

多大なる掃除のツケ……。
サボったぶんは全部自分に跳ね返ってくるのです。

『ガスコンロ周りのしつこい油汚れ』が今日のラスボスになります。

ああ、みみっちいな。うんざりするほどに。

庶民の日常なんて、すべからくスケールが小さいんですよ。

お貴族様やお嬢様やらが登場する、ファンタジー小説を書いてるというのに──

自分はボンスター(洗剤がついてるたわし。使うとピンク色になる!)を使って、目をおおいたくなるようなコンロ下を掃除せねばならない。

優雅な暮らしなんて、見渡したってどこにもありゃしない。

お貴族様とちがって誰も身の回りの世話なんてしてくれませんからね。自分でやるしかないのです。ふう、雑用まみれの人生だぜ。

そんなこんなでガスコンロと格闘した末、コンロ周りの壁紙に入っていた亀裂。いわゆる破れ目ですね。

それを掃除によってさらに広げてしまいました。

なんか、なんだかな……。

ガスコンロ周りはキレイになったけど、皮肉にも壁紙の裂け目は拡大しました。

泡と水分をふくんだことにより、壁紙はぺりぺりと無残にもはがれてしまいました。

ずいぶんとみすぼらしい見た目になっちまったな。

以前からステンレスの大きな板で、亀裂を隠していたのですがもうおおいきれない……。

さらに大きな金属板を買ってくるしかないのかな。

大家さんに頼んで修繕してもらうという手もあるが、かけあうのがめんどくさいです。

いずれ退去するときに修繕費を請求されそうだな……。

敷金ではまかないきれないかもしれないと思いつつ、ま、いいやと放置するわたし。

いままでに何度か引っ越しを経験しているのですが。

現状を維持すること!みたいな契約書にサインさせられるたびに思う。

暮らしていたら、どうしたってほころびは生まれてくるんですよと。

入居するたびにぴかぴかを保ちたいなぁと思いつつ、どんどんほころびを拡大させてゆく。

人間ってつくづく、しょうもない生き物ですよね。



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