ぬいぐるみが好きすぎるんだ

文字数 1,905文字

子供のころ、夜ぬいぐるみと一緒じゃないと眠れませんでした。

小学生のときは旅行先にも同伴させる始末で……。

ちいさなリュックサックのなかに、白いライオンのぬいぐるみを入れてつれてってました。

が、十代の終わりになぜか、

『卒業しなくては!』と思いたち、そのぬいぐるみとお別れしました。

そのときはさわやかに「今までありがとう」という感謝をこめてお別れし、しばらく忘れさっていました。

――が!!

大人になってから、なんか急にお別れしたことを後悔しはじめました。

もう一度手に入れたいと、未練のあまりネットオークションをさがしたりいろいろしました。

それで、過去に出品されていて、すでに売り切れていたのを一度見つけて。

やはりもう手に入らないんだなと、しずかにあきらめました。

手に入れたところで、わたしの好きだったぬいぐるみと、見た目は同じでも同じものではないし。

しょうがないとあきらめたのです。

写真もろくに残ってなくて、ぬいぐるみを横抱きにして笑顔でうつってるの数枚という。

せめてちゃんと撮って、残しておけばよかった……。

っていうか、お別れなんでしちゃったんだろう?

という個人的にみっともない動機で、そのぬいぐるみを自作の小説に登場させちゃってるのは、かなり重症だなぁと思うけれど。

そのおかげなのかなんなのか、作品の冒頭は読んでくれた友人いわく、

『白いライオンに全部もっていかれてる!』

みたいなインパクトあったらしいです。最初の敵として登場してますから、よけいにそう思うのかわかりませんけど。

小説ではたてがみのある『成獣』が登場しますが、ぬいぐるみはライオンの子供だったので。

(たてがみではなく、耳のあいだに白いとさかのようなふわっとした毛のかたまりがあったので)

ぬいぐるみのほうは『セルフィン幼体』と名づけて区別してます。

そんなのどうでもいい!っていう情報ですね。

エッセイだけ読んでくださってる方には、なにがなんだかわからない情報だし。

あと余談ですが、指摘されてあわてて変更したのですけど。

白いライオンのことを『白変種』というのですが、わたしはこの読み方をまちがえてしまっていて、『しろへんしゅ』というルビをふってしまっていたんです。

『はくへんしゅ』のまちがいでした。すみませんです。

子供のころもそうですが、大人になってもぬいぐるみ好きは変わらず。

今でも店先でかわいいぬいぐるみを見ると、たちすくんでしまいます。

一目ぼれしておもわず買ってしまうことも……。

そして増えすぎてしまい、飾り場所というか、置き場に困ります。

一度、断腸のおもいでお別れを決意し。一匹ずつ写真におさめてから、サイトで見つけた『ぬいぐるみの寄付』先に大きな段ボール二箱ぶん寄贈しましたが……。

神社やお寺で人形供養みたいにしてもらったり、葬儀社とかで『ぬいぐるみ葬』というものもあるらしいのですが、それはそれでつらいような。

べつにぬいぐるみのせいでなにかあったわけじゃないし。

ただ、人形とかぬいぐるみは飾りすぎると、家の運気を吸いとるいうのも聞くので。

見せたかったらガラスケースの中に飾る。それ以外は収納にしまうほうがいいみたいです。

なので飾るのはお気に入りの数体にして、たまにチェンジをしたりして、それ以外は箱やかごに入れて収納棚のなかにしまっているのですが。

ほんとうの願望は、ぬいぐるみをずらっと棚にかざる『ぬいぐるみの部屋』をつくることだったりします。

『これくしょんるーむ』ひらがなで書くと、かわいいんだかこわいんだか、わからない独特の雰囲気がかもしだされますね。

コレクター気質って男性のほうが強いみたいだけど、自分は子供のころからコレクター気質が強くてやや自分でもうんざりしてます。

ぬいぐるみ以外にも本やまんが、映像や音楽の円盤。フィギュアやグッズ……

もてないぞ。うん、もてない。

そういうの手放したほうが、ぜったいにいい!

と、自分でもわかってるんですが、気質なのでどうしようもありません。

たぶん、無理してコレクター気質を卒業したら、別のなにかに依存することになると思うんですよね。

それが、なんなのかわかりませんけど。

自分がなににも依存しない健康的な生活をおくれるとは思えないんですよね。

旅行?酒?グルメ?映画?ゲーム?車?スイーツ?洋服?推し活??

ギャンブルはないだろうな……。

自分はとりあえずパチスロ、競馬やってみて、楽しかったけどさほどのめりこまなかったので。うん。

でも、なにかの依存になってしまうことは想像がつく。

なら、今のままでいいかぁと。

ぬいぐるみの話なのに、なんかよくわからない結末になってしまった。

はぁ~。もっとさわやかに生きれればなぁ。



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